唐十郎さん死去 84歳 急性硬膜下血腫で アングラ演劇をけん引
アングラ演劇の旗手で、日本の演劇界に大きな影響を与えた唐十郎さん(から・じゅうろう、本名大鶴義英=おおつる・よしひで)さんが4日、都内の病院で亡くなったことが5日、分かった。84歳。劇団唐組の公式サイトで発表された。
公式HPによると、死因は急性硬膜下血腫。自宅で転倒し、中野区内の病院に緊急搬送されたが帰らぬ人となった。
唐さんは明大を卒業後、劇団「状況劇場」を結成。1967年に新宿・花園神社に紅テントを設営し、独自のスタイルで公演を続けた。
小説家としても活躍し、83年には、パリで日本人留学生が人肉を食べた事件を題材とした「佐川君からの手紙」で芥川賞も受賞している。
俳優の大鶴義丹、美仁音、佐助は唐さんの子供。
唐さんは12年5月26日に自宅で転倒し、外傷性脳内血腫と脳挫傷と診断されて以降、公の場に出るのは限られていたが、19年10月16日に下北沢で行われたトークショーに登場。俳優の柄本明、唐組座長の久保井研らと写真撮影で報道陣の前に元気な姿を見せていた。