喜寿を迎えた梶芽衣子 心に勝新さん“金言”6年ぶりフルアルバム 野菜中心の食生活で「今すっごい元気」

 女優で歌手の梶芽衣子(77)が元気だ。3月24日にリリースされた6年ぶりのフルアルバム「7(セッテ)」の発売を記念して、5月12日にはライブ(SHIBUYA PLEASURE PLEASURE)を控える。アルバムに込めた思いやライブにかける意気込み、そして喜寿を迎えてなおエネルギッシュに活動する秘けつに迫った。

 優しさのにじむ柔和な笑顔と、はつらつなしゃべり口が心地よい。新アルバムに込めた思いについて聞くと「母にささげる歌っていう感じも私には強くあるわけですよ、今回のは」と亡き母への思いを口にした。

 キャリア59年目にして、現在は77歳。いつの間にか母が亡くなった年齢と同じになっていた。「長く続けてきて、母に何かお返しっていうのはできないかなと思って。じゃあ『7』で通じて、(タイトルは)そこから来たんですよ」。自身の年齢と、母が終の棲家としたイタリアの言語から、新アルバムは「7(セッテ)」と名付けた。

 代表曲の1曲で海外でも大人気の「修羅の花」のロックセルフカバーに加え、劇映画「曽根崎心中」(78年)でメガホンを取った故・増村保造監督から当時贈られた歌詞に、音楽プロデューサーの鈴木慎一郎氏が曲を付けた「真ッ紅な道」、「恋は刺青」も収録。魅力が詰まった一枚だ。

 長きにわたって、女優と歌手の両輪を回し続けてきたからこその魅力がある。心にあるのは74年公開の映画「無宿」(やどなし)で共演した勝新太郎さんの“金言”。「勝さんに『最近レコードを出したんですけど、聞いてもらいます?』って言ったら『おお、聞く聞く』ってすぐ聞いてくれて。そしたら『おまえな、ずっと歌やった方がいいよ。だけどな“役者の歌”で行け』って。あれはすごく響いててねえ」。

 役者の歌-。梶は勝さんの歌唱を「(同じ歌でも)全部違うもん。音に遅れようが、音より早く歌っちゃおうが、その時の自分の感性で歌っちゃってるから、その場で歌っている」と語る。そして「バックで演奏してる人は大変だと思うんだけど。でもそれを感じさせない歌の素晴らしさがあって。私はそれ(役者の歌)を言われた時に『なるほど、あのこと言ってるんだ』と思いましたよ」と振り返った。

 アルバムの収録は入念な準備を重ねてきたこともあって、全11曲をわずか3時間半で終えた。「自分の体力の限界ってのは自分でわかるので、なるべく時間かけないように」と謙遜するが、体調管理への意識はすこぶる高い。かつては「私は割合軟弱な人で、40代ぐらいで死んじゃうんじゃないか」と考えていたというが、40歳を前に発覚した胆のうの病気を機に、医師のアドバイスをもとに食生活を一変。野菜中心の食生活となり、大好きな肉料理は量も少なめで朝限定とし「今はすっごい元気で、この先10年は絶対生きたい。だから自分で『降参、引退する』とか全然考えたことない」と朗らかに笑う。

 5月に控えるライブを心待ちにしている。「この年齢でライブやるの大丈夫なの?って人も多分いると思うんですけど、何の抵抗もないです。楽しみですから。自分が楽しんでやれば、見てるお客さまも楽しんでいただけんじゃないかな」。どこまでも自然体な77歳の梶芽衣子を、ファンへと届ける。

 ◇梶芽衣子(かじ・めいこ)1947年3月24日生まれ。東京都出身。60年代から女優として活動し、「鬼平犯科帳」シリーズの密偵・おまさ役、「女囚さそり」シリーズの女囚701号こと主人公の松島ナミ(さそり)などで長く活躍。70年代からは歌手としても活動し、「怨み節」、「修羅の花」、「ジーンズぶるうす」など代表曲も多い。2023年にNetflixで配信された「幽☆遊☆白書」では主人公の師である幻海役も務めた。

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