声優・生田輝 「クレヨンしんちゃん」男の子役抜てき 「夢が2つ叶った」

 「クレヨンしんちゃん」で声優を務める生田輝(撮影・棚橋慶太)
 (左から)せまし、婚約者の育菜、連れ子の樹と菜摘(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
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 声優の生田輝が、テレビ朝日系アニメ「クレヨンしんちゃん」(土曜、後4・30)に抜てきされた。年明けからスタートした「せましおじさんご結婚シリーズ」に2月3日放送回から登場。主人公・しんのすけの従兄弟になるかもしれないイケメン小学生・樹を演じる。

  ◇  ◇

 しんのすけの伯父・せましが、野原家に婚約者を連れてきたことから始まる新シリーズ。生田が演じる樹は婚約者の連れ子で、環境の変化に戸惑いを覚える一方、思春期特有のクールさを併せもつ役どころだ。

 「クレヨンしんちゃん」への出演は2度目。2022年にお好み焼き屋の八木尾好実役を務め、劇中で演歌を披露するなど爪痕を残した。「男の子の声をやるのが夢だったので、一気に夢が2つ叶ったようです。ふてくされて『ふん』って言うセリフが何回も出てくるので、いろんなバリエーションを演じ分けたいと思います」と“7色のふん”が見どころとなる。

 父はロックミュージシャンで、劇団☆新感線と家族ぐるみの交流があったことから自然と演技への興味が芽生えていった。蜷川幸雄さんが学長を務めた桐朋学園芸術短期大学の演劇科を卒業。少年役にもハマる独特の存在感が評価され、舞台を中心に活動を続けた。

 転機は「少女☆歌劇レヴュースタァライト」(18年)の石動双葉役。ミュージカルとアニメが連動するプロジェクトで声優デビューを果たす。

 「まさか声優をできると思っていなかったので、頑張りに頑張りました。オーディションはペラ1枚の台本で5個ぐらいしか言葉もなかったんですけど、紙がくちゃくちゃになるぐらいに向き合い続けて挑みました」

 まったくの独学だったが合格。初挑戦のアフレコも「『テレビで見たやつだ!』っていうオタク心の方が強くて、緊張しなかったです」と笑顔で振り返るように、声のお芝居の楽しさを知った。

 舞台仕込みの表現力でひょんなことから声優の道が開き、今作で国民的アニメに仲間入り。「これからたくさんのキャラクターに命を吹き込み、声優の生田輝を知ってもらいたいです」。名刺代わりの“ふん”で、次なる夢に向かっていく。

 ◆生田輝(いくた・てる)4月30日生まれ。大阪府出身。高校卒業後に女優を目指し、主に舞台で活動。18年のアニメ「少女☆歌劇レヴュースタァライト」で声優デビューを果たす。他にも声優として、ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」のナターリア役などを担当。両親の影響から大の虎党。

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