EXILE 松本利夫 知らぬ間に演技のとりこ 9年ぶりドラマ主演「純粋に楽しかった」
EXILEの松本利夫(48)が、俳優業に熱を上げている。サンテレビの年末特別ドラマ「ライ麦畑でGIGをして」(26~28日、深夜2・00)では、2014年以来9年ぶりにドラマ主演を務めた。15年末でパフォーマーを卒業して以降、映像や舞台と活躍の場を拡大。「(当初は)好きかどうか分からなかった」という演技だが、気付けばそのとりこになっていた。
近年は舞台を主戦場としており、ドラマ主演は9年ぶり。撮影を終えた松本は「単純に楽しかった。(座長としての)責任は抱えるものはあるけど、監督を信用するというのが作品を作る上での大前提だと思っているので、監督の言葉を信じてやらせてもらいました」と胸を張った。
松本が演じるのは、世間と反りが合わずに職を転々とし、彼女に振られ、年老いた両親を持つ男・金田孝雄。音楽事務所の派遣社員となり、癖の強い人々に翻弄(ほんろう)されながら、ロックに目覚めていく様を描く。役の第一印象から「ありがたいことに基本“残念な男”の役が多い」と苦笑いする。
癖の強いキャラが数多く登場。「自分が演じた役が一番普通でさえない。真面目な人がほぼ出てこない。想像をはるかに超えてくるので、現場で探りながらお芝居しました。自分が(笑いを)狙いに行くと軸がぶれると思ったので、自分は真面目にお芝居をさせてもらった」と回想した。
主人公は音楽にのめり込んでいくが、自身も15年までEXILEのオリジナルメンバーとしてパフォーマンスに没頭した身。「パフォーマーをやめてもダンスは好き。踊ることは減ったけど、ダンスを見て感想を言ってしまう。これは実は好きだからなんだなって」と、今もダンスとは切り離せない関係だ。
パフォーマー卒業後の16年から俳優業に活動の場を移した。「お芝居もダンスと同じで、自然と『今の演技こうだったよね』と考えてしまう。常に頭の中は演技で埋まっている。最初は役者業が好きか分からなかったけど、続けられるものは結果好きなんだろうなって」としみじみ語る。
今年はコロナ禍が明け、今後の活動について熟考する年になったという。「自分の心の声を拾って、どういう方向性で自分が生きていくかを考えたけど、役者業に答えはないので、今後も突っ走るしかない。やるしかないのはこの先も続くのだろうなと」。継続して「好き」と気付いた俳優業。好きという気持ちを武器に、演技力をさらに磨いていく。
◆松本利夫(まつもと・としお)1975年5月27日生まれ、神奈川県出身。99年、ダンスの実力を認められて「J Soul Brothers」加入。01年、グループが「EXILE」と改名。同年9月デビュー。15年末でパフォーマーを卒業。09年公開の初主演映画「LONG CARAVAN」以降、ドラマ、舞台、バラエティー、ラジオパーソナリティーとして活動の幅を広げている。20年、井筒和幸監督の映画「無頼」主演。
