谷村新司さん“喝采”で 旅立ち「送る会」に2600人参列 堀内孝雄「寂しい」

 10月に74歳で死去したフォークグループ・アリスのメンバーで、歌手の谷村新司さんを送る会が11日、都内のホテルで行われ、著名人を含む関係者600人、ファン2000人が参列した。森喜朗元首相(86)、黒柳徹子(90)、加山雄三(86)らが発起人となり、谷村さんの誕生日にあたるこの日、「送る会」を実施。フジテレビの軽部真一アナ(61)、フリーの有働由美子アナ(54)が司会を務め、アリスの堀内孝雄(74)や加山らが別れの言葉を送った。

 後世に残る名曲たちを生み出した谷村さんを“喝采”で送り出した。

 アリスとしてともに走り続けて50年。昨年11月のアリス50周年記念コンサートでステージを共にした堀内は「(当時は)めちゃくちゃ元気でしたよね。だから今日こうあることが本当に夢を見ているみたい。それまで音信不通な時期があったので、急にこのような慌ただしさの中で、この悲しみがやってきた」と語った。

 74歳という年齢で逝ってしまった盟友を引き合いに、「自分が一生懸命変わらず、頑張れることが彼の一番恩返しかなと思っている」と今後も歌い続けることを宣誓。「チンペイさんはずっと生きてる」と谷村さんを感じつつ「寂しいです」と本音もこぼれた。

 また、谷村さんと名曲「サライ」を共作した加山は「思い出が多すぎて何を話していいかわからない気持ちでいっぱい」と気持ちの整理がつかない様子。最後は「ご苦労さま。ありがとうね。そのうち俺も逝くから。そっちでまた『サライ』を歌おうぜ」と優しく呼びかけた。

 この日はファン向けのお別れの会と、関係者向けの送る会を2部制に分けて実施。祭壇は菊やコチョウランなどの白の花々で彩られ、2016年頃に撮影された笑顔の遺影と遺骨が中央に安置された。生前愛用していた帽子や衣装、ギターのほか、NHK紅白歌合戦出場時の記念トロフィーや紫綬褒章など、これまで築き挙げてきた功績が展示された。

 2時間に及ぶ送る会は、代表曲「昴(すばる)」の大合唱締め。サライ、いい日旅立ち-。1972年のデビューから約50年にわたり、音楽を創造し続けた谷村さん。関係者600人の温かい拍手に包まれ、旅立った。

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