クミコ69歳 新型コロナ、両親の介護に「絶望」も「生涯一歌手」の決意 2010年紅白出場

 2010年に「INORI~祈り」でNHK紅白歌合戦に出場した歌手のクミコ(69)が、7日の神戸朝日ホール公演を皮切りに、4都市ツアー「クミコ コンサート2023わが麗しき歌物語」をスタートさせる。コロナ禍や両親の介護に直面する中で「生涯一歌手」の決意を確認。歌声に磨きをかける。

 20年からの3年は、公演を中心に活動するクミコにとって大打撃となった。

 「コロナに両親の介護が重なって、最初は絶望した。でも父と母の老いを見届ける覚悟が決まったら、怖くなくなった。きちんと生きていく延長線上に歌がある。そう考えたらすっきりした」

 戦争や不況など社会問題があふれる中で「歌は闘いの場所」という思いも湧く。「歌っていけば、必ず社会と関わっていく。歌を逃げ場所にするのではなく、常に社会がどうなるか気にしながら歌っていくのが大事」とまなざしを前に向ける。

 7月にはシングルで美輪明宏の「ヨイトマケの唄」をカバー、話題を集めた。貧困や差別という社会問題に光をあてた昭和の名曲。自身の思いにシンクロした。今回の公演でも同曲を披露することで「お客さんと共感を確認したい」と話す。

 古希を間近に見据え、「今は年を重ねることも武器になると思える」と目を輝かせるクミコ。「どうやって年を取るか楽しみ。普通でいいんだけど。そこに歌があればいい」と静かにほほ笑んだ。

 ◆クミコ 1954年9月26日生まれ、茨城県水戸市出身。早大卒。82年、シャンソニエの銀座「銀巴里」のオーディションに合格。プロ歌手としてデビュー。2010年、広島原爆と平和を歌った「INORI~祈り~」がヒットし、NHK紅白歌合戦出場。

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