クミコ 思い出の地ウクライナの戦争に絶望も前向き歌う NHK「あさイチ」で特集

 2010年に「INORI~祈り」でNHK「紅白歌合戦」に出場したシャンソン歌手のクミコが歌う反戦歌「愛しかない時」が注目を集めている。21日放送の同局「あさイチ」でも特集された。

 「愛しか-」はフランスの歌手、ジャック・ブレルが1956年に発表し、歌詞の内容から反戦歌として世界的に親しまれてきた。クミコも以前から公演でのレパートリーにしてきて、銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」でのデビューから40周年の今年、新たにレコーディングする企画を進めていた。

 そんなタイミングで2月、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発した。クミコにとってウクライナは、テレビの企画で2度訪問した思い出の地。2016年には首都キーウの「国立チョルノービリ(チェルノブイリ)博物館」で開催されたチョルノービリ原発事故から30年の式典にも招待され、歌を披露。当時、通訳を務めたウクライナ人ジガルコ・ヴィタリーさんとは「ビーちゃん」と呼び、現在も交友関係が続いている。

 それだけに、ウクライナが傷つく様子に、クミコは絶望。「本当にすべてのことに何の意味があったんだろうと思います。反戦歌とかって平和のときじゃないと入り用じゃない。実際、戦いの中でなんて、全然歌えるものじゃない」と歌をうたうことすらできない状態に陥ったという。

 番組では、幼少時に戦争を体験した歌手の菅原洋一と加藤登紀子と対面し、苦悩を吐露。励まされる様子などが放送された。菅原からは「怒りを持ち続けることが大事」「希望が持てることが大事」とエールを送られ、加藤からは「悲しみにはことばを与えよ ことばには音楽を与えよ そうすれば 悲しみがいつか喜びに変わる」という詩を教わった。

 平和を願い、歌い続けることが歌い手にできる唯一のこと-。何とか前を向いたクミコは番組の最後で、スロバキアで避難生活を送るヴィタリーさんに歌をうたう動画を送り「何とか生き抜いて、また会いましょう」とメッセージを送っていた。

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