イケボ声優・津田健次郎が目指す高み 俳優として高評価 アニメ、吹き替え、映像「全てのジャンルで現場を大切に」

 俳優やナレーターとしても活躍する津田健次郎(撮影・棚橋慶太)
 インタビューに答える津田健次郎(撮影・棚橋慶太)
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 イケボ(イケメンボイス、イケてるボイス)な声優として人気の津田健次郎(52)。近年では今年1月期の連続ドラマ「ラストマン-全盲の捜査官-」での名演が感動を呼ぶなど、俳優としても評価が高い。日本テレビ系の特番「アンタッチャブルのがむしゃらグルメ団」(10月4日、後9・00)でナレーションを担当した津田に、自身のイケボや仕事への取り組み方、最終的に目指すところなどを聞いた。

 番組では宇都宮と宮崎の餃子対決が行われ、津田は「やっぱり焼き餃子が食べたいなと思ってナレーションしてました」と笑った。「どっちのチームの餃子もすごいおいしそうでした。蒸し餃子から水餃子から、焼き餃子もあって(調査員の鬼越トマホークと井上咲楽、浜口京子は)とにかく食べて」。

 話を聞いていても実にイケボだが「どっちかと言うと変わった声」だと自認する。アニメに出始めて自身の声を改めて聴く機会が増え、「ホントの低音のいい声の皆さんともまたちょっと響き方が違う感じがするな」と個性に気付いた。

 舞台から出発してアニメ、吹き替え、映像と幅は広いが、津田の中では「あんまり線引きがなくて」、「どっちかというとジャンルの違いというよりも作品の違い」という認識だ。いずれも「演技の延長線上にあるもの」だからで、自身の仕事は「役者だというふうに」考えている。「全てのジャンルで、現場で作り上げていくのをいちばん大切にしている」という。

 19日に行われたイベントでは「もう一回自分の表現を立ち上げ直したくなって、初心に返った気持ちで対峙(たいじ)している感じ」だと話した。

 真意を聞くと「芝居を捉え直して、雑になっている部分、ちょっとごまかしている部分もある気がしていて、そういうものを全部剥ぎ取ってもう一回、お芝居ってどういうふうにやっていくものなんだっけ?みたいな。やればやるほど表現としての奥深さとか難しさを痛感していくので、やってきたものは大事にしますけど、しがみつかずに、今までやってきていないアプローチとか、しっかりやっていきたい」と自分に厳しく説明した。

 最終的に目指す地点はどこなのか。

 「例えば演技一つ取った時に、ただその瞬間を生きるみたいな一番シンプルなとこに着地できるとすごくステキだなと思っていまして。人間は矛盾の塊といいますか、生きるということは死に向かっていくことでもあるから、その人間が描こうなんて(する)ものは矛盾だらけで。ただ、そこを超えられるような気もちょっとするので、いつかその矛盾を超えてみたい」

 イケボで語られたのは、高みを目指す津田自身の姿だった。

 ◆津田健次郎(つだ・けんじろう)1971年6月11日生まれ、大阪府出身。声優、俳優、ナレーションなど幅広く活動。近年の代表作にアニメ「ONE PIECE FILM RED」、「チェンソーマン」、「呪術廻戦」、ドラマ「エール」(語り)、「ラストマン-全盲の捜査官-」、「トリリオンゲーム」など。第15回(2020年度)声優アワード主演男優賞。趣味はカメラ、バイク。血液型O。

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