東山紀之新社長の「喜多川氏」に表れた、過去と決別する強い意志と覚悟 担当記者が見たジャニーズ事務所会見

 ジャニーズ事務所は7日、都内で会見を開き、俳優・東山紀之(56)が5日付で新社長に就任したことを発表した。創業者の故ジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題を認め、藤島ジュリー景子前社長(57)が責任を取って辞任。創業家で初めて会見に臨んだジュリー氏らと出席した東山はジャニー氏の行為を「鬼畜の所業」と断罪。年内でタレント業から引退することを明かし「一生をかけて、命を懸けて取り組みたい」と所信表明した。また、事務所の屋号「ジャニーズ」は変更しないこと、ジュリー氏は被害者への補償にあたるため、代表取締役の肩書を当面保持することなどを明らかにした。デイリースポーツの担当記者がジャニーズ事務所再出発への一歩目となった会見で感じた思いをつづる。

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 東山新社長の「喜多川氏」呼びに、ジャニー氏と決別する強い意志と覚悟が表れていた。

 中学生の頃に東京・渋谷のスクランブル交差点でジャニー氏に直接スカウトされ、ジャニーズ入りした東山社長。華麗なダンスやパフォーマンスで魅了する少年隊は、同氏の「最高傑作」とも言われ、“秘蔵っ子”の1人だった。

 かつて「ジャニーさん」と呼び「父のように」慕い続けてきたが、この日、呼称は終始「喜多川氏」。毅然と「本来ならば彼はこの場にいるべきだった」と断言し、「やっていることは鬼畜の所業だと思ってる。愛情というものはもうなくなりました」とまで突き放した。

 「僕自身は喜多川氏に会ってこの世界に入りました」と振り返るなど、複雑な思いもあるだろう。しかし、新社長としてデビュー組17グループ、Jr.10グループを束ね、信頼回復のため陣頭指揮を執っていく立場として、明確に「脱ジャニー」を掲げていくしかない。そんな強い信念が見て取れた。

 一方で、ジャニー氏が残したエンターテインメント作品は数多くある。今も人気作として演じ継がれているものも多く、井ノ原は「徹底的に排除したいと思っていたが、無理やりはがすのは組織としてまとまりづらい部分もあった。自分たちで考えないといけない。彼が作ってきたものを作り替えていかないといけない」とジレンマを口にした。ジャニー氏の負の部分と作品の良さを切り離して考えられるか。社名とともに重要なテーマとなりそうだ。

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