藤井七冠 年内八冠に前進 “絶体絶命”から1分将棋で大逆転「最後の最後で勝ちに」 次戦は羽生善治九段と対決へ

 感想戦で対局を振り返る藤井聡太七冠(右)と村田顕弘六段
 熱戦を繰り広げた村田顕弘六段(左)と藤井聡太七冠
 藤井聡太七冠と対局した村田顕弘六段
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 将棋の藤井聡太七冠(20=竜王、名人、叡王、王位、棋王、王将、棋聖)が20日、大阪市の関西将棋会館で行われた第71期王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦で村田顕弘六段(36)に94手で勝利した。

 今月1日に名人を奪取し七冠を達成、残る王座の挑戦権をかけて負けられない戦いが続く挑決トーナメント。終盤まで敗色濃厚の中、1分将棋で大逆転勝利をつかみ、年内八冠へ望みを残した。

 苦境の中でも勝負の手を放ち続けた藤井七冠に、最後の最後で勝利の女神がほほえんだ。直近2年は挑決初戦敗退、過去最高成績がベスト4という鬼門の棋戦。お互い1分将棋に突入した最終盤、村田六段が見せた隙を七冠は逃さない。わずか1分で23手の詰みを読み切り、一瞬で勝ちをもぎ取った。

 関西若手四天王の一角・村田六段が用意した「新村田システム」の前に序中盤から苦しんだ。「中盤から攻めを受け止められる展開になってしまって、はっきり苦しくしてしまった」。昼食休憩段階で、すでに劣勢を自覚し、「終盤も苦しい局面がずっと続いていて、最後の最後に勝ちになったと思います」と熱戦の疲れを隠せなかった。

 これで初参加した2018年以来のベスト4。この日、斎藤明日斗五段(24)を下した羽生善治九段(52)が次戦の相手となる。9日に将棋連盟会長に就任して以降2連勝中と、勢いを増すレジェンドと直接対決だ。「気持ち新たに頑張りたいと思います。羽生九段との対戦は楽しみですし、いい状態で臨みたい」と力を込めた。

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