西郷隆盛の子供の菊次郎と寅太郎、おいの隆準が１８８５年に渡米した際にワシントンで撮影された写真が福岡県で見つかったと歴史研究家の原田良子さんが８日、発表した。原田さんは「菊次郎の青年期の姿は珍しく、隆準の写真は初めてとみられる」と話した。

　菊次郎は、隆盛の２人目の妻愛加那との間に生まれた長男で、後に京都市長を務めた。寅太郎は３人目の妻で正妻とされた糸子との長男で、隆準は隆盛の弟吉二郎の長男。

　３人はワシントンで語学を学んだ後、菊次郎は公使館で勤務。寅太郎と隆準は独留学に向かった。当時のワシントン駐在公使九鬼隆一らも写っている。

　写真は、菊次郎のひ孫である諌山尚子さん（６０）から「自宅から菊次郎が写っている新しい写真が出てきた」と２０２０年１０月に提供を受けたという。