病気が治る「なで仏」 善光寺「びんずる尊者像」盗難で34歳男を逮捕 今後も今まで通りに設置へ

 長野県警は5日、長野市の善光寺の本堂から、触れると病気が治るとして親しまれている「びんずる尊者像」が盗まれたと明らかにした。県警は窃盗事件として捜査。木像は松本市内で見つかり、窃盗の疑いで、熊本県御船町の森本晋太郎容疑者(34)を逮捕した。

 捜査関係者によると、不審な車の男を職務質問し、車内に木像があるのを見つけた。盗まれたのは5日午前8時ごろ~同8時半ごろの時間帯で、当番の住職が気付いた。防犯カメラに1人で運び出す様子が写っていた。

 寺の事務局によると、木像は高さ83センチ。釈迦(しゃか)の弟子で「びんずるさん」と呼ばれる像は約300年前に作られたといわれ、患部と同じ箇所に触れると病が治るとされる「なで仏」。寺務総長は「周囲の人が少なくなったところを狙われたようで非常に悲しい。触って治す信仰のあるものなので、今後も普通に置きたい」と話した。

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