山田洋次監督が坂本龍一さんを追悼 「DECENTな人柄だった」 奇跡の回復願うも、無念

 テクノポップバンド「YMO」の活動や、「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」などの映画音楽でも知られた世界的音楽家の坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんが3月28日に都内の病院で死去していたことが2日、発表された。71歳。遺志により、葬儀は近親者のみで行われた。

 映画監督の山田洋次氏(91)が3日、坂本さんを悼んだ。15年12月公開の吉永小百合、二宮和也主演の映画「母と暮せば」で坂本氏は劇中の音楽担当を務めた。

 山田監督は「坂本さんを偲んで」として「月刊誌に掲載されていた坂本さんの闘病記を、この著者に奇跡が起きて回復するのではないか、ぜひそうあって欲しいと祈るような思いで読んでいましたが、それは叶いませんでした」と無念をつづり、「大江健三郎さんに続いて、世界中の人々に敬愛される日本の二人の優れた芸術家--反原発、反核の訴えを市民とともに行動したたぐいまれなお二人の死を、どれだけ多くの心ある日本人が惜しんでいることだろうか」と嘆いた。

 さらに「大江さんは著作のなかで DECENCY(品位、良識の意)という言葉をよく使われるが、坂本さんはまさにその意味でDECENTな人柄だったことを今しみじみ追想します」と坂本さんの人柄を伝えて偲んだ。

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