宝塚 専科・凪七瑠海主演 全国ツアー初日「宝塚は伝統芸能。受け継でいかないと」

 宝塚歌劇団専科スターの凪七瑠海主演の星組全国ツアー「バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!」が26日、大阪・梅田芸術劇場からスタートした。

 全国ツアーでは珍しく、トップスターや次期トップスターではなく、専科スターが主演。凪七にとって初の全国ツアー主演となった。ヒロインは星組トップ娘役の舞空瞳が務めた。

 「-熱い花」は故柴田侑宏氏のミュージカルで、1976年に月組で初演され、再演を重ねた。19世紀初頭のスペイン、バレンシア地方を舞台に、領主の父を殺害された青年の復讐(ふくしゅう)を中心にとしたドラマティックな作品。

 宝塚の名作と呼ばれるクラシカルな魅力が詰まった作品で、オープニングで浮かび上がるシルエットも、凪七の均整の取れた男役の魅力を映し出した。大人の恋物語を凪七が舞空をリードし、切なく演じ上げた。

 凪七は「下級生の頃に出演した作品ですので、お稽古のときに、柴田先生の声がよみがえっていました」と振り返った。それだけに「柴田先生と、名曲を作って下さった寺田瀧雄先生が天国で見守って下さっていると思います」と思いをはせた。

 また主要スターの瀬央ゆりあが酒場の歌手である骨太な作品の2番手の役を、極美慎が貴族の青年である3番手の役を熱演。それぞれ適材適所で、芝居の世界に引き込んだ。

 またショーは宝塚の男役の美学を追求する演出家・岡田敬二氏の「ロマンチック・レビュー」シリーズの粋を集めた凪七主演のバウホール公演「パッション・ダムール-愛の夢-」(2020年)を全国ツアー公演として再構成。ファンに刺さるシーンの連続で、ロマンチックで情熱的なステージとなった。フィナーレでは大きな羽根を背負った舞空、瀬央ともに、センターでひときわ目立つ羽根で笑顔を見せた。

 凪七は終演後「お芝居は再演を重ね、大切に受け継がれてきた作品。ショーも名場面で構築されたもの。宝塚は伝統芸能。それをきちんと受け継いでいかないといけない」とあいさつ。満員の客席から大きな拍手が送られた。また「最後の福岡の地まで、パッションと愛を伝えていきたい」と力強く宣言していた。

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