松本零士さん死去 作品背景に自身の戦争体験 平和への思い強く「二度と繰り返してはいけない」

 「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」などの大ヒット作を生み出してきた漫画家の松本零士(まつもと・れいじ、本名晟=あきら)さんが13日午前11時0分、急性心不全のため都内の病院で亡くなったことが20日、わかった。東映などが発表した。85歳、福岡県出身。葬儀は近親者で執り行った。喪主は妻で漫画家の牧美也子(まき・みやこ)さん。後日、お別れの会を開催する予定。    

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 松本さんには、主人公が地球を守るために戦う「宇宙海賊キャプテンハーロック」など戦場を舞台にした作品が多い。背景には自身の戦争体験があり、「二度と繰り返してはいけない」と平和への思いを強く訴えていた。

 7歳で終戦を迎えた。「日本中が厳しい生活を余儀なくされて惨めな思いを味わい、戦争に負けるということがどういうことかを嫌というほど思い知らされた」。自身の経験を生前のインタビューで語った。

 父親は、特攻隊の中継拠点だった旧陸軍大刀洗飛行場(福岡県)の操縦士。多くの部下を失った父は戦後、操縦かんを握ることはなかったが、松本さんに「星空が海面に映って宇宙を飛んでいるようだった」と洋上夜間飛行の感想などを聞かせ、代表作「銀河鉄道999」の着想につながったという。

 晩年まで創作意欲が衰えることはなく、18年には「銀河鉄道999」の新作を発表。「新たな旅立ちの先に何が待つのか私自身も楽しみ」と語っていた。

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