将棋の藤井聡太王将（竜王・王位・叡王・棋聖との五冠＝２０）が羽生善治九段（５２）の挑戦を受ける第７２期王将戦七番勝負第４局が９日と１０日の両日、東京都立川市の「ＳＯＲＡＮＯ　ＨＯＴＥＬ」で指される。前日の８日、同市で前日検分と前夜祭が行われた。六冠へ勢いづく初防衛か、通算タイトル１００期か、天才同士の世紀の一戦は中盤戦に突入している。

　２勝１敗の藤井王将は、勝てば防衛に王手が掛かる。立川は昨年、王将を奪取し最年少五冠となった思い出の場所。「自分でも良いイメージを持っている」と話し、「番勝負も中盤で一局一局大事になってくる。後手番ですし、序盤から集中力を高めて考えていければ」と燃えている。

　羽生九段は第２局のように、先手番でタイに戻せるか。藤井王将の印象を「後手番二局、自分の方がはっきり優位だった瞬間は一回もなく、大変さは対局して改めて実感している。先手番での主導権のとりやすさをうまく生かしていい内容の将棋が指したい」と意気込んでいた。