てぃ先生 「子どもと一緒にお昼寝するんでしょ」議員の言葉で保育士業務への理解訴え

 保育士で育児アドバイザーのてぃ先生が10日、読売テレビ・日本テレビ系「ウェークアップ」に出演。静岡県裾野市の保育園で、1歳児クラスを担当していた元保育士3人が園児への暴行容疑で逮捕された事件について国の責任も訴え、現場の観点から“虐待”再発防止策を示した。

 逮捕された一人がコロナ禍で業務がひっ迫していたと話していることに、てぃ先生は「まず前提として、それを理由にしてこういった行為を行ってはいけないっていうのはお伝えしたい」と前置き。「これを前提にした上では、確かに特にコロナ禍に入ってからは保育士の負担っていうのは激増したので、それは事実だと思います」と、現場のひっ迫を伝えた。

 そういった状況を踏まえ、てぃ先生が考える“虐待”再発防止策は何か問題があった時に公開できるような「保育現場へのカメラ導入」と「保育士の負担軽減」。さまざまな行事やそのための準備、部屋の飾りつけなどの見直しを提言した。

 保育士の仕事は子どもと触れ合う、遊ぶというイメージが強いが「体感の負担の大きさでいうと、行事ですとか書類関係のものが通常の業務の8割ぐらい占めてるぐらい負担に感じてるんですね」と説明。保育士に余裕がないと、カメラ導入など新しいルールを設定しても遂行することができないといい「そもそもの負担軽減っていうのは必須だと思います」と強調した。

 てぃ先生はさらに、現場だけでなく国全体の意識改革の必要性も訴えた。「市議会議員さんとかと話した事もあるんですけど、いまだに議員さんの中には『保育士さんって子どもと一緒にお昼寝とかするんでしょ』とか考えちゃってる人もいる」と驚いた経験を話し「だから現場の意識とかっていうのももちろん大事なんですけど、国会議員の方々とかそういった方々の意識を変えない限り」働き方改革は難しいと強調。

 これまで財源不足を理由に子育て政策や保育士の給料アップが進んでいないものの「まあ必要なこととはいえ防衛費ってなると、はい1兆円増税しますっていうふうになっちゃうので、なかなかそこの意識の差っていうのが難しいのかなって思います」とチクリ。その上で「今回の虐待の件っていうのは、もちろん容疑者の3人の方々の責任というのもありますし、園としての管理の責任もあると思うんですけど、これは保育業界全体とか国の方にも僕ははっきりいって責任があると思います」と厳しく話した。

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