榊原郁恵「渡辺徹は偉大だった」息子・渡辺裕太と会見 死別から1週間 笑顔で送別

 先月28日に敗血症のため亡くなった渡辺徹さん(享年61)の妻でタレントの榊原郁恵(63)が5日、都内で、長男で俳優の渡辺裕太(33)とともに記者会見を行った。二人は徹さんの訃報が伝えられてから初の公の場。4日に通夜、5日に告別式を家族葬で執り行ったことを報告した。喪主は裕太が務めた。1987年に結婚し、芸能界屈指のおしどり夫婦として知られた徹さんと榊原。最後は涙ではなく、笑い話で締めくくった。

 愛する夫との死別から1週間。癒えることのない悲しみを抱えて臨んだ会見で、榊原は気丈に振る舞った。

 冒頭で疲れ切った表情を浮かべた榊原は「世の中がサッカーで盛り上がっている中、集まってもらって家族としてうれしいです」と切りだし、「渡辺徹を話題にしてもらっているのを見て、渡辺徹という人は偉大だったと思える瞬間でした」とかみしめた。

 榊原によると、徹さんは先月19日に仕事で秋田を訪れ、発熱の症状が出た。新型コロナウイルスは陰性だったが、20日に体調悪化で入院。後にICUに移ったが、過去にも入院歴がある事から「不死鳥な人だから」と復活を信じていたという。

 最後に徹さんと会話したのは、病院へ送った時で「降りてお父さん」という普段通りの一言だった。覚悟を決めたタイミングは2日前。病室で意識が遠のく徹さんに感謝と、「あの人はすごく甘えん坊さんなんですけど、私が突っぱねて数歩前を歩くタイプだったので。ちゃんと横を見て様子を見てあげられなかったね」とおわびの言葉をかけたという。

 通夜告別式では、家族で笑い話もできたという。榊原は「思い出す度に泣き笑いで、あの人の人生の中での狙いはそれなんです。人を少ししんみりさせ、最後は笑うという…」と天国へ旅立った夫の“策略”にハマって笑顔。「これから物を考える時に『お父さんは何て言うだろう』が合言葉になる気がする」と裕太を見つめた。

 35年連れ添った夫との思い出話が次々とあふれ出る榊原だが、ふと我に返って「質問から横道にそれちゃう」と自身にツッコみ、裕太へ「だから言ってっていったじゃん!」とポンとたたいた。これに裕太が「これはいつも父が止める役目だったんです」と家族の役割を明かし、会場を笑わせる場面もあった。

 締めでは裕太が「この辺りで“父”とともに失礼したいと思います」とあいさつし、続けて榊原が「お父さん帰るよ~!」と天へ呼びかけ。このタイミングで会場に徹さんの代表曲「約束」が流され、二人はじっくりと聞き入り、徹さんを感じながら会場を後にした。

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