宝塚 花組・一之瀬航季主演「殉情」初日「前半チームの思いも背負う」

 宝塚歌劇団花組スターの一之瀬航季主演の「殉情」が30日、兵庫・宝塚バウホールで初日の幕を開けた。

 谷崎潤一郎の「春琴抄」をミュージカル化した作品で、今回バウ・ワークショップとして11月7日まで一之瀬が佐助、ヒロイン春琴を美羽愛で上演。13日~21日は帆純まひろ、朝葉ことで演じられ、その他の配役も一部を除き、役替わりとなっている。

 一之瀬は一昨年の「はいからさんが通る」で新人公演初主演の予定だったが、コロナ禍で中止。今回はその幻の新公ヒロインだった美羽愛と、満を持してコンビを組んだ。

 一之瀬は丁寧な役作りで、実直な佐助を作り上げた。173センチの舞台映えする容姿だが、その体を小さく折り曲げ、こいさん(お嬢さん=美羽)の草履を履かせたり、額を畳にすりつけ謝罪したりする所作の一つひとつに、気持ちが伝わる。

 同じ芝居を違うメンバーが前後で演じれば、どうしても比較される。だが一之瀬は帆純とは違う役作りで、自身の長所を生かした役作りをみせた。

 春琴役の美羽は気の強い、かんしゃく持ちの娘感を前面に出した。その一方で、目を閉じての芝居でも華やかさを失わず、宝塚らしさを感じさせた。

 現代パートの大学生YouTuber役は鏡星珠と二葉ゆゆ。華やかな容姿で、舞台映えした。芸者のお蘭役の糸月雪羽は芝居も硬軟自在で、ソロでも美声を響かせた。

 春琴の母・しげ役の美風舞良らは、帆純バージョンに引き続いての登場し、芝居を引き締めた。また春琴にいいよる大店の放蕩息子・利太郎役の峰果とわは、さらに吹っ切れた演技でパワーアップしていた。

 また初日前日にはゲネプロが行われた。一之瀬は「明日の初日から千秋楽まで、前半チームの思いも背負い、頑張りたいと思います」とあいさつしていた。

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