【山田美保子のミホコは見ていた!】“最強”で“危険”な草彅剛と香取慎吾
作・演出、三谷幸喜氏、出演、草彅剛・香取慎吾による二人芝居「burst!~危険なふたり~」が10月1日より7年ぶりに日本青年館ホール(東京)で上演されている。
8年前、香取と舞台がやりたくなった草彅が三谷氏に脚本を書いてほしいとラジオ番組で言ったのが発端。初演は7年前で、今回、「今こそ上演すべき」と再演を持ちかけたのは三谷氏だった。90分弱の芝居中、二人がほとんど向かい合わない作品はソーシャルディスタンスとしては完璧であり、コロナ禍の時代を先取りしていると考えたからだそうだ。
互いを「慎吾ちゃん」「つよぽん」と呼び合い、芸能界屈指の仲良しな二人は、約35年の付き合い。「ケンカしたことがない。心の中でも、嫌だなぁ、こいつとか、今日、嫌だったなと思ったことが一度もない」と香取が言えば、草彅は「やっぱ一筋縄ではいかない男。天才。スリリング」と香取を評する。「さっきまで」台本を手放せなかった香取が、記者らが見守ったゲネプロでは台詞が全て入っていたからだ。そんな暴露話をしても、関係性が壊れることはもちろんなくて、上演後のアフタートークも含め間も息もピッタリな二人だ。
そんな彼らを「最強の二人」と絶賛するのは三谷氏だ。そもそも二人芝居は、演劇的に高度で難しいそうだが、草彅も香取も全くプレッシャーを感じることもなくサラッとやってのける。なおかつ呼吸がピッタリ合っている。「ふつうの俳優さんはできない。できたとしても、ものすごく稽古しなければならない」と。俳優としては正反対の二人だし、コースは異なるが、完璧なゴールに辿り着くことが三谷氏には“最強”と思えるのだという。
「再演で完成することもたくさんある」とは草彅。「止まるわけにはいかないから、最善を尽くしてきた」と7年分のワクワクした気持ちを抱えて劇場にやってきた観客のために、体調管理や感染対策を万全にしてきたという香取のコメントも忘れられない。
舞台人としての役割をも身に着けた“最強”で“危険”な草彅剛と香取慎吾。必ずや明るく前向きな気持ちになれる舞台「burst!~危険なふたり~」は同ホールで26日まで続く。