映画「ONE PIECE-」谷口監督明かす制作秘話 歌姫ウタは「もう飽きた」から誕生

 全世界累計発行部数が5億1000万部を突破した世界的人気コミックの、3年ぶりの劇場版となるアニメ映画「ONE PIECE FILM RED」が6日、初日を迎えた。谷口悟朗監督がデイリースポーツの取材に応じ、総合プロデューサーを務めた原作者・尾田栄一郎氏の情熱あふれる、制作の舞台裏を明かした。

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 原作の連載開始から25周年の節目に幕を開けた映画「RED」。ルフィの恩人で世界最強の海賊の一角となる“赤髪のシャンクス”の娘ウタの登場が予告されており、謎多き新キャラクターに考察が沸いている。

 当初は近年の劇場版に共通する“伝説の男”とルフィら麦わら海賊団の戦いをプロット化していたが、谷口監督は「尾田さんの方から『伝説のジジイを描くのはもう飽きたんですよね』と。伝説のジジイに変わる要素を出さないといけなくなり、歌う女の子のアイデアを引っ張ってきました」と説明。「はじめまして」の歌姫ウタを受け入れやすくするため、シャンクスの娘という設定に落とし込まれた。

 谷口監督は、一部関係者だけに共有されている未解禁の過去を含めたシャンクスの年表を制作。ネタバレに気をつけつつ「シャンクスの過去に絡んじゃうから言えないんですけど、尾田さんの中で考えていたラインがあって、そういう流れを部分的に利用させていただいて、そこにこちらの考えを足させてもらった」と明かす。

 世界的に注目される週刊連載を抱えながら総合プロデューサーとして名を連ねる尾田氏の、映画への熱量は極めて異例だ。原稿が一区切りついてからのリモート会議が定期的に開催され、即時性の必要な確認は随時、LINEで共有。本来はモブキャラだった羊飼いの少年ヨルエカと少女ロミィは、尾田氏がサプライズでキャラ表を描き上げたため、人気声優の梶裕貴らを起用することとなった。

 谷口監督は「尾田さんからは『ここのパーツの色をこうしたいんだけど』みたいなことから、モブ的なところで考えていたヨルエカとロミィも、尾田さんが『描いちゃった』って。描くなら、はよ言ってよ」と苦笑いしつつ、「尾田さんはもうそれでいいと思うんです」と、原作者の驚異のフットワークに脱帽していた。

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