北陸・東北で歴史的大雨被害 最上川など5県17河川で氾濫 山形・新潟は自衛隊の派遣要請

 前線の影響で東北や北陸では4日も大雨が続き、各地で河川の氾濫や橋の崩落、土砂災害や住宅浸水の被害が相次いだ。国土交通省は大雨に伴う4日午後3時半現在の被害状況をまとめ、5県の計17河川で氾濫が起きたと発表。国が管理する河川のうち、山形県の最上川で3カ所、秋田県の米代川と石川県の梯川でも各1カ所で水があふれた。土砂災害も4県で計11件発生。総務省消防庁によると警戒レベル5の避難情報「緊急安全確保」と避難指示の対象は4日午後3時半現在、約54万人に上った。

 避難対象は解除済みも含め青森、岩手、山形、福島、新潟、石川、福井の7県に広がった。山形・新潟両県は、被害の大きい自治体への災害救助法適用を決め、陸上自衛隊の災害派遣を要請した。

 山形県の特別警報は4日早朝、警報に切り替わったが、最上川上流が堤防から越水、氾濫した。ほかに車が川に流され、住宅浸水や土砂災害、断水などの被害が続出した。小国町は土砂崩れや冠水が相次ぎ、孤立状態になった。JR米坂線の鉄橋崩落も起きた。山形新幹線は福島-新庄間で、終日運転を見合わせた。

 石川県小松市の梯(かけはし)川は4日午後、堤防から越水し氾濫。小松市全域と同県白山市の一部地域には、緊急安全確保が発令。小松市では山間部の集落が孤立する恐れがあり、県が陸上自衛隊と航空自衛隊に災害派遣を要請した。同県の馳浩知事は同日、公務で前日から登山していた同県白山市の白山(2702メートル)を下山後、大雨の影響で身動きが取れなくなった。市街地に通じる県道が雨量規制を超えたため通行止めとなり、登山口付近の旅館で足止めとなった。

 気象庁によると、4日午後までの24時間に、新潟県関川村で平年8月の2カ月分を超える降水量となる560・0ミリを観測。新潟県村上市410・0ミリ、石川県白山市391・0ミリ、福島県北塩原村314・5ミリ、山形県飯豊町306・5ミリ、など、いずれも観測史上最多となった。福井県では4日午前、線状降水帯が発生し、大野市で1時間に65・5ミリに達した。

 前線は5日にかけて日本の南まで南下。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、東日本から西日本では大気の状態が非常に不安定になる。北陸と近畿は5日朝まで、関東甲信は5日夜にかけて警報級の大雨となる恐れがある。

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