東電旧経営陣に超巨額賠償命令 4人計13兆円 国内民事訴訟最高額か

 判決後、東京地裁前で「株主勝利」などと書かれた紙を掲げ喜ぶ原告側弁護士や関係者
 東京電力福島第1原発5号機近くで撮影された津波。防波堤を破壊しタンクに迫る様子が確認できる=2011年3月11日(東京電力提供)
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 東京電力福島第1原発事故を巡り、東電の株主が旧経営陣5人に対し、津波対策を怠ったために会社に巨額の損害を与えたとして、東電へ総額22兆円を賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地裁は13日、うち4人に計13兆3210億円の支払いを命じた。旧経営陣の責任を認める初の司法判断。賠償額は国内の民事訴訟で最高とみられるが、現実的な回収は極めて困難と見込まれる。

 朝倉佳秀裁判長は、最低限の津波対策を速やかに実施するよう指示すべき取締役の注意義務を怠ったとして、事故との因果関係を認定。事故前の対応は「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と批判した。

 勝俣恒久元会長(82)、清水正孝元社長(78)は経営トップとして、武黒一郎元副社長(76)、武藤栄元副社長(72)、小森明生元常務(69)は原子力部門幹部としての責任が焦点になり、小森氏を除く4人に賠償責任を認めた。

 東電子会社は、政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測「長期評価」に基づき、08年3月に福島第1原発に最大15・7メートルの津波が到達すると試算した。判決は相応の科学的信頼性があり、津波対策を義務付けられるものだったと判断した。

 武藤氏は08年、試算を津波対策に取り入れるべきかどうかの検討を土木学会に依頼する方針を独自に決定。11年3月に事故が起きた。判決は、委託したまま放置したとし「津波対策を先送りしたと評価すべきだ。著しく不合理で許されない」と指摘。主要建屋や重要機器室に浸水対策工事を実施していれば、津波による重大事故を避けられた可能性が十分にあったとした。

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