秋野暢子のがんは「侵襲の大きな手術に」甲南回生松本クリニック・松本医師の解説

 女優の秋野暢子(65)が4日、食道がんの治療に専念するため活動を休止すると発表した。所属事務所はデイリースポーツの取材に、のどに違和感があり、6月20日に病院で受診したところ、がんであることが判明、現在は入院中と説明した。病名は、頸(けい)部食道がんの重複がんという。甲南回生松本クリニックの松本浩彦医師が解説した。 

 食道は喉と胃をつなぐ長さ25cm、太さ3cmほどの筒状の臓器です。重複がんとは、転移ではなく数カ所に同時に複数のがんができている状態を言い、食道がんで2割ほど見られます。秋野さんは食道の3カ所にがんが見つかり、ステージ2~3とのこと。

 食道がんは早い時期からリンパ節転移や周囲臓器に浸潤することが多く、多少のリンパ節転移があっても多臓器への転移がなければ、ステージ2~3とします。肝臓・肺・骨などに転移するとステージⅣとなります。 おそらく秋野さんの全身状態は良さそうですので、抗がん剤治療、放射線治療を行ってから手術で摘出する「術前化学放射線療法+外科手術」をとると思います。

 手術は、頸部・胸部・腹部の3領域にわたる侵襲の大きな手術になります。頸部の食道を切除し、同時にリンパ節を含む周囲の組織も切除した後、新しい食道を再建します。通常は胃を筒状に細く縫い直して、引っ張り上げるようにしますが、いずれにせよ、胃がんや大腸がんの手術に比べると、術後合併症も多い大変な手術です。

 秋野さんはブログにかなり詳しく書いておられ、読ませていただく限り、がんに立ち向かっていこうという、強い気持ちが伺えます。患者さんにとって一番大切なのものは、病気と闘う勇気です。その意味で「秋野さん頑張れ」とエールを送りたいですね。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス