泉ピン子 「渡鬼」の野村昭子さん追悼【全文】「誰にでも真っ直ぐで正義感強く」 40年来の付き合い

 ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)や「家政婦は見た!」(テレビ朝日系)でおなじみの名脇役女優・野村昭子さんが亡くなった。95歳。1日に都内の自宅で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。「渡鬼」で共演するなど、40年来の付き合いだったという泉ピン子が3日、追悼文を寄せた。【以下、全文】

40年来のお付き合いです。いつでも、誰にでも、真っ直ぐで、正義感の強い方でした。黒沢明監督にも、正直にご自分の意見をおっしゃっていたと、伺っています。歯に衣着せぬお話は、江戸っ子気質があふれていました。

思い出はたくさんありすぎて。そのどれもが笑いと一緒に蘇ってきます。「腕まくり看護婦物語」の大島でのロケは忘れられません。アドリブの連続で大爆笑でした。

野村さんが「女優になりたい」とお父様に伝えた時、「お前、自分の顔を10分間、鏡に映してみなさい」と言われたそうです。

面白いお父様。

それを真に受けて鏡に10分間自分の顔を映して、「女優になります」と、おっしゃって、俳優座に入られた。私も実は新劇に憧れて、これから劇団に入りなおします、と言ったことがありました。

この夏は念願の朗読劇です。私の挑戦をどうか見守ってください。

たくさんの思い出、忘れません。

野村さん、ありがとうございました。

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