プーチン大統領 軍事侵攻を正当化「唯一の正しい決定」戦争宣言せず NATO批判

 ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワ中心部の「赤の広場」で行われた対ナチス・ドイツ戦勝記念日の式典で演説し、2月に始めたウクライナ軍事作戦は「唯一の正しい決定だった」と、侵攻を正当化した。北大西洋条約機構側(NATO)がウクライナに最新兵器を提供しロシアの安全保障に脅威を与えたと批判。「特別軍事作戦」としている侵攻を、国家総動員などに道を開く「戦争」状態と宣言することはなかった。

 例年のような祝賀ムードはなく、交戦中の緊張した雰囲気が会場を包んだ。「あなた方は祖国のために戦っている」。ウクライナで軍事作戦を続ける兵士らへの呼びかけで演説を始めたプーチン氏は厳しい表情で国民に団結を訴えた。

 「祖国防衛は常に神聖なものだった。そうした真の愛国主義と共に、モスクワやキエフ(キーウ)、ハリコフで敵と戦った」。77年前に勝利で終わったナチス・ドイツとの戦いでソ連軍が解放し、今はロシア軍が攻撃を続けるウクライナの都市の名前を挙げて「祖国の将来のために」戦いを続けると強調した。

 軍最高司令官のプーチン氏が欧米との対決姿勢を明確にしたことで早期停戦の可能性は小さくなり、交戦が当面続くことが避けられない情勢となった。

 今年は第2次大戦でナチス・ドイツに勝利してから77周年。1万1千人の軍人らが参加した華やかな軍事パレードは約1時間で終了。広場を去るプーチン氏には出席者から拍手が送られた。だが恒例の最新鋭戦闘機や爆撃機などの参加は悪天候を理由に中止となり、祝賀ムードに水が差される結果となった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス