キーウのウクライナ人、戦わない米英にも不信 94年の覚書が無意味

 ウクライナの首都キーウで貿易会社を経営するボグダン氏が24日、TBS系「サンデー・ジャポン」に中継で出演し、欧米に過度に期待していないという思いを明かした。

 ロシアとウクライナの停戦交渉が中断したままになっていることについて「8年間ウクライナはずっと期待しながら待ってたんですけど、結局今の全面戦争になって、この2カ月間ずっと期待してるんですけど、何も起きなくて」と2014年にロシアがクリミア半島を併合して以降、欧米のアクションがなかったとした。「国連も、NATOも、EUもアメリカも機能してない」と断じた。「すべてのシステムが機能していない、すでに崩壊したという認識の下、われわれは行動している」と語った。

 ボグダン氏は94年の「ブダペスト覚書」についても「ロシアが違反した時に本来であればアメリカとイギリスが戦わないといけないんですね。ところがアメリカもイギリスも何もしてないじゃないですか」と語った。「ブダペスト覚書」とはベラルーシ、カザフスタン、ウクライナが核不拡散条約に加盟し、協定署名国の米、英、露が3国の安全を保障するというもの。この覚書に署名し、ウクライナは核兵器を放棄してロシアに移した。しかし、14年のロシアによるクリミア半島併合の際にも有効に働かず、米英がウクライナのためにロシアと戦うことはなかった。

 ボグダン氏は、実際に動かなかった米英に対しても「信用してないです」と明言。世界平和のために核兵器を手放したが、結局ロシアに攻め込まれる形になってしまったと説明。「この2カ月で国連が動かない、NATOが動かない、アメリカ、ヨーロッパが動かないんだったらもう動かないですよ」と国際機関、欧米にも期待できないという心境に至っていると告白。「すべては崩壊しているという前提でわれわれは行動してますから」と欧米に対しても冷めているような思いを吐露した。

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