【中村竜太郎のタイガー&ドラゴン】シティポップの新星「リト黒」に注目

 シティポップがリバイバルブームだ。山下達郎や竹内まりや、松任谷由実、大滝詠一などが代表格とされ、ユーチューブで楽曲を知った海外の再評価があり、日本も同じく再燃中だ。イギリスではシティポップは「Jレアグルーブ」と呼ばれ、「Youは何しに日本へ」に登場したアメリカ人が大貫妙子のアナログLPを探しにわざわざ来日したことが話題となった。インドネシアのRainychがカバーしたことがきっかけで、松原みきの「真夜中のドア」は2020年、12カ国で1位を獲得する(アップルミュージックJポップランキング)という謎の現象も起きている。

 「クレイジーケンバンドやDEENがカバーアルバムを出すなど日本の音楽シーンでもシティポップは勢いがある。シニアと若年両方に支持されています」(音楽担当記者)

 そんななか注目されているのが、23歳の女性歌手Little Black Dress(リトルブラックドレス)、通称「リト黒」だ。昨年7月ポニーキャニオンからメジャーデビューしており、NHKの「うたコン」で昨年10月に八神純子の「みずいろの雨」、今年3月に大橋純子の「シンプル・ラブ」を披露し、大きな反響を呼んだ。2月のブルーノート東京ライブも満員で、幅広い年齢層に支えられていた。彼女に、なぜシティポップを歌うようになったのか訊いてみた。

 「もともと私、歌謡曲が大好きなんです。おばあちゃんとお母さんがよく聞いていたので影響を受けたんですけど、山口百恵さんの『プレイバックPart2』や寺尾聰さんの『ルビーの指輪』とか、あの当時の歌が好きで探していくうちに、シティポップに遭遇したんです。私と同世代は洋楽をあまり聴かなくて、どちらかといえば日本のロック、たとえばワンオクとかサカナクションなんかが人気なんですが、シティポップはすごく新鮮でした。キラキラしているというか、ドライブ、夜景、都会のネオンみたいな情景が想像できて、ファッショナブルでかっこいい。歌詞が素敵で口ずさめますし、メロディもきれい。楽曲に日本人特有の憂いがあって感情を入れやすいんですね。だから歌っていてもほんとに気持ちいいです」

 新世代による“温故知新”。笑顔の彼女には歌うよろこびが満ちあふれていた。(フリージャーナリスト)

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