【気象予報士・天達武史氏コラム】クビも覚悟した!?大ハズレの春一番予報

 2月4日は立春。春の始まりです!立春から春分に吹く強い南風といえば「春一番」。強い南風が吹き荒れて、2月なのに気温が20度近くまで上がることも珍しくありません。

 ただ大気は性質上バランスをとりたがるんですよね。春一番が吹いて暖かくなった翌日は、大概寒さがぶり返すので油断しないようにしましょう。

 私がフジテレビの外から天気予報を伝えていたころ、春一番で忘れられないエピソードがあります。

 その日は2月だというのに東京の最高気温が18度まで上がる予報でした。私はジャケットの下に大きく「18度」と書かれたシールを服に貼り、本番中ジャケットを脱いで驚かせる演出を考えました。

 いざ天気予報が始まり私が勢いよくジャケットを脱ぐと「18度」と書かれたシールがテレビに、どアップで映し出され、司会の小倉智昭さんもさすがに驚いていました。

 その日の朝は5度を下回る冷え込みでしたから、これから数時間で10度以上も上がることなど想像できなかったからです。

 放送後も順調に気温が上がり神奈川、千葉方面からどんどん南風が入り、ついに羽田空港の気温計も15度を超えてきました。

 東京都心まであとは時間の問題と思った矢先、突然気温の上昇が止まったんです。強い南風は羽田まで入ってきましたが、都心は寒気の影響が強く南風を押し返していました。

 「ヤバい!!」結局、その日の最高気温は18度どころか、都心はなんと8度までしか上がらなかったのです。

 1、2度外すことはあっても10度ですからね。さすがに青ざめました。

 ただ南風の入り方次第で、極端に気温が変化するということがあるのもわかってはいました。ただ当時は、わかりやすさや演出の面白さに流されてしまった自分がいたのも確かです。

 正直、クビも覚悟しましたがそれから10年以上たってもこうして仕事ができていることに感謝です。

 ありがとうございます小倉さん。

 ◆天達武史(あまたつ・たけし)1975年生まれ。神奈川県横須賀市出身。高校時代は野球部に所属。2002年に気象予報士試験に合格。05年10月からフジテレビ系「情報プレゼンターとくダネ!」、21年3月から「めざまし8」のお天気を担当。

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