新型コロナウイルスの急拡大が止まらない。国内で１２日、新たに１万１７６６人の新型コロナウイルス感染者が確認された。１万人超えは「第５波」が猛威を振るった昨年９月９日以来、約４カ月ぶり。年明け以降、新たな変異株、オミクロン株が急速に広がり長野、和歌山、山口、愛媛で新規感染者数が過去最多を更新した。

　東京は２１９８人の感染を発表。２千人超は昨年９月４日以来。小池百合子知事は１１日に感染拡大の影響を「直下地震相当のもの」と危機感を訴えたが、衝撃は広がる一方。感染者のうち９割超が、感染力が強いオミクロン株となった。

　大阪の新規感染者は１７１１人で、１日当たりの感染確認の千人超えは昨年９月１５日以来。基礎疾患のある８０代の男性１人の死亡が報告され、オミクロン株の疑いがありゲノム解析している。

　吉村洋文知事は定例会見で「感染は拡大する可能性が高い」と警戒を強めた。前週の同じ曜日は２４４人だっただけに「これまでの感染事例で見たことがない伸び。デルタ株の時は多いときで２倍ぐらい。（グラフでは）増え方がほぼ垂直に上がっている」と指摘。「もう（ワクチンの）追加接種でオミクロン株を乗り切るのは無理だ」と話した。

　１２日時点の府内の重症病床使用率は１％と低いが、感染者や濃厚接触者となった医療従事者が出勤できなくなるケースに言及。「医療機関を含め、社会のインフラに大きな支障が出る」と危惧した。

　沖縄はこの日、過去２番目に多い１６４４人の感染を発表。医療逼迫（ひっぱく）に対応するため、沖縄県の県立病院２カ所に災害派遣された自衛隊で看護師資格を持つ「看護官」や准看護師計１０人が、本格的に活動を始めた。