瀬戸内寂聴さん 最期のお別れ 偲ぶ会に各地から「寂庵」にファン950人駆け付け涙

 しのぶ会に向かう人たち
 瀬戸内寂聴さんをしのぶ会で「寂庵」に設けられた祭壇=京都市(代表撮影) 
2枚

 11月に99歳で死去した作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんをしのぶ会が9日、京都市右京区の自宅兼事務所「寂庵」で開かれた。詰め掛けたファンら約950人が笑顔の遺影の前で焼香して手を合わせ、涙ながらに最後の別れを惜しんだ。

 法話の会場などとして親しまれてきたお堂に祭壇が設けられ、花が飾られた。2枚の遺影は、写真家の篠山紀信さんが2019年に撮影したもの。生前、篠山さんの写真を遺影にしたいと語っていたという。

 戒名に当たる法名は「燁文心院大僧正寂聴大法尼」。仏門における兄弟子で、妙法院(同市東山区)門主の杉谷義純さん(79)が付けた。「文筆はもちろん宗教家としての心が輝き続け、またいつも華やいで見えた」として、「輝く」「光る」を意味する「燁」の字を用いたという。

 夜行バスで駆け付けた長野県須坂市の植木留美子さん(61)は高校生の頃から瀬戸内文学の愛読者。「天衣無縫に生き、自分にうそをつかないところが大好きでした。やっぱり寂しい」と語った。

 たびたび、寂庵での写経の会に参加したという愛知県北名古屋市の竹内章子さん(73)は「『困っている人がいたら手を差し伸べてね』といつもおっしゃっていた。庶民の味方がいなくなってしまった」と涙ぐんだ。

 瀬戸内さんは73年に得度し、翌年、寂庵を結んだ。毎月の法話には抽選で選ばれた約150人が集まったが、新型コロナウイルス感染症の広がりを受け昨年2月から中止が続いていた。今年10月に体調を崩して京都市内の病院に入院。11月9日に心不全で死去した。

 作家らを招いたお別れの会を来年、東京で行う予定。

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