読売テレビは２６日、１７日に８４歳で死去した落語家・笑福亭仁鶴（本名岡本武士＝おかもと・たけし）さんの追悼企画を２７日に放送すると発表した。番組は仁鶴さんがレギュラー出演していた「大阪ほんわかテレビ」（後７・００）と、「平成紅梅亭　笑福亭仁鶴追悼特番」（深夜１・２６）。

　１９９３年６月のスタート時から出演していた「－ほんわかテレビ」では、番組の父のような存在だった仁鶴さんの姿をＶＴＲで振り返るほか、間寛平・桂南光・月亭方正らほんわかメンバーに加え、元レギュラーの笑福亭笑瓶、森たけしが思い出トークを繰り広げる。また、仁鶴さんが芸能界で残した数々の伝説を、貴重な映像を交えて紹介する。

　スタジオに朗らかに笑う仁鶴さんの写真が並ぶ中、５０年来の付き合いだった寛平は「（訃報に）本当にびっくりしましたね。マネジャーから電話で聞いて『ウソやん！』って。それからずっと泣いてました」と悲しみを隠しきれない。

　だが、楽しいことが大好きだった故人のため、あえて笑いで追悼。仁鶴さんの『大阪ほんわかテレビ』名場面を集めた貴重な映像を放送する。名物企画のコメディでは、大ヒットファンタジー映画の主人公などの爆笑コスプレを披露したほか、体当たりロケにも挑戦。当時５７歳の仁鶴さんが爆走する衝撃映像に、南光も「あんな無茶させるの『ほんわかテレビ』だけ！」と大笑いする。

　また、仁鶴さんの８０歳の誕生日には、ほんわかメンバーが思い思いの傘寿プレゼントを贈る企画を放送。方正は当時発生したハプニングが「忘れられない」と回想。方正のミスを仁鶴さんのやさしさが救った名場面とは？

　昨年末まで２１年間レギュラーを務めた笑瓶は、人気コーナー『情報喫茶店』で仁鶴さんの隣に座っていたが、収録の合間に「師匠に褒めていただいた」というおもしろ秘話を告白。ＮＯＮ　ＳＴＹＬＥの石田明は結婚したときに仁鶴から贈られた思い出の品を「家宝です」と披露。相方・井上裕介は若手時代にスタジオで仁鶴にかけられた温かい言葉を明かし、「本当にやさしい人でした」と悼む。

　『驚きの仁鶴伝説』と題して輝かしい芸人人生を彩った伝説を映像やクイズで振り返るコーナーも。全国区のスターに押し上げた人気番組や、流行語を生んだＣＭなど満載。

　１７年に亡くなった最愛の隆子夫人と出演した旅番組のＶＴＲや、『－ほんわかテレビ』の特番で実現した明石家さんまとの爆笑対談も。「今の僕があるのは仁鶴師匠のおかげ」というさんまが秘話を明かす。

　さらに、１０年の特番では「アースマラソン」挑戦中に前立腺がんが発覚した寛平を励ますため、トルコを訪ねた仁鶴さんの涙の名シーンも公開し、寛平が感極まる場面も。エンディングでは寛平が仁鶴さんへ涙をこらえながら、最後のメッセージを送る。

　「平成紅梅亭　笑福亭仁鶴追悼特番」では落語家としての、『平成紅梅亭』珠玉の名高座３席として、当時５８歳だった１９９５年放送の得意ネタ「青菜」、当時６７歳だった０４年放送の「不動坊」、当時７４歳だった１１年放送の十八番ネタ「つぼ算」を放送する。