パラ開会式 主人公抜てきは13歳の和合由依さん 車いす全力疾走、片翼の飛行機、空へ

パラリンピック開会式で主人公の小さな飛行機を演じる13歳の和合由依さん(中央)=撮影・伊藤笙子
パラリンピック開会式で主人公の小さな飛行機を演じる13歳の和合由依さん(中央)=撮影・伊藤笙子
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 「東京パラリンピック・開会式」(24日、国立競技場)

 史上初の同一都市による2度目のパラリンピックとなる東京パラリンピックの開会式が行われた。161カ国と難民選手団から史上最多の4400人のパラアスリートが参加し、13日間で22競技539種目が実施される。コロナ禍のため、原則無観客、学校連携観戦プログラムによる生徒、児童のみ観戦できる。

 無観客で行われた開会式のコンセプトは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」。会場を空港「パラ・エアポート」に見立て、パフォーマンスが展開された。物語の主人公となる片翼の小さな飛行機役を演じたのは、都内の中学校に通う13歳の和合由依さん。2月に行われた公募オーディションで、満場一致で主人公役へ抜てきされた。

 先天性の羊膜索症候群と先天性多関節拘縮症候群による上肢下肢機能障を持つ和合さん。左手があまり使えず、右手だけがよく使える状態である自身と、片翼の飛行機という役柄を重ねながらも「『片翼の小さな飛行機』には飛ぶ勇気がないのですが、私は“とりあえずやってみよう”というタイプなのでそこは違うと感じています」と、演技は未経験ながら持ち前の好奇心を武器に臨んだ。

 クライマックスとなったのは、小さな飛行機が空を飛ぼうと滑走路を走るシーン。普段は右手だけで車いすを動かしているため、スピードを出すことは難しかったが、出演決定からこのシーンのためにトレーニングを積み、見事に20メートルの滑走路を全力で駆け抜けた。

 開会式の総合演出を手がけたウォーリー木下氏が「笑顔が素敵で、表現にどん欲な女の子。彼女にきっと日本中、世界中が魅了される」と話していたように、13歳が見事に大役を果たした。

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