第６期叡王戦五番勝負第４局が２２日、愛知県の「名古屋東急ホテル」で指され、将棋の藤井聡太二冠（王位、棋聖＝１９）が豊島将之叡王（竜王との二冠＝３１）に９１手で敗れた。タイトル戦で初のシリーズ２敗を喫し、史上最年少三冠は持ち越しとなった。対戦成績２勝２敗のタイで迎える最終局第５局は９月１３日、東京・将棋会館で指される。

　簡単には勝たせてくれない。デビューから６連敗を喫した“ラスボス”豊島叡王の隙のない差し回しに序盤から優位を築かれた藤井二冠。最終盤は苦しそうに下を向き、投了を告げた。戦型は王位戦第４局に続いて相掛かりで「早い段階でミスが出てしまった。勝負所を作れなかったのは残念です。完敗だった」と肩を落とした。

　タイトル戦での藤井二冠は第９１期棋聖戦で渡辺明名人（棋王、王将の三冠＝３７）に１敗を喫したのみ。羽生善治九段（５０）の２２歳３カ月を抜く１９歳１カ月での最年少三冠を地元・名古屋で決められず悔しい敗戦となったが、「最終局は精いっぱい戦って、勝負所を作れるように指せたらと思います」と前を向いた。

　藤井二冠と豊島竜王は王位戦７番勝負でも対戦中で、藤井二冠が３勝１敗でタイトル防衛へ王手をかけている。持ち越しとなった最年少三冠へ、今後も厳しい戦いが続く。