音楽プロデューサー・酒井政利さん 逝く 売上累計8700億円!無類のヒットメーカー

 酒井政利さん
 南沙織(右)から文化庁長官表彰を祝福された酒井政利さん。左は篠山紀信氏=2006年3月
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 歌手の郷ひろみ、山口百恵さんらのヒット曲を数多く手掛けた音楽プロデューサーの酒井政利(さかい・まさとし)さんが、16日に心不全のため都内の病院で亡くなっていたことが19日、分かった。85歳。和歌山県出身。葬儀は近親者で行った。酒井さんは350人以上のアーティストを担当し、売上累計は約8700億円。今年はプロデュース生活60年の節目だった。

 歌謡界でアイドル路線を確立し、一時代を築いた無類のヒットメーカーが、音楽人生の幕を閉じた。関係者によると、酒井さんは5月下旬、アレルギーの検査で入院。アレルギーは改善されたが、リハビリのために入院を続けていたところ、体調が急変し、16日午後7時5分に息を引き取ったという。

 病室でも打ち合わせや執筆などをこなして、今後リリース予定の楽曲制作も進めていた。発売済みでは、2019年6月のクミコ「妻が願った最期の『七日間』」が最後の作品となっている。同年には酒井さんと、作詞家の故阿久悠さんとのライバル関係を描いた映画の製作も、今年公開として発表されていた。

 映画好きだった酒井さんは立教大学卒業後、松竹に入社。1961年、日本コロムビアへ転籍して、音楽プロデュースを始めた。デビュー作「大学かぞえうた」は、学校名を巡って一時発売中止に。波乱の幕開けだったがすぐに才能は花開き、64年に青山和子「愛と死をみつめて」でレコード大賞を受賞した。

 68年にCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ移ると、同社第1号アーティストとしてフォーリーブスをデビューさせた。71年には南沙織で自身初めてアイドルをプロデュース。その後、郷ひろみ、山口百恵、キャンディーズ、松田聖子らのヒット曲を手掛けた。79年にはジュディ・オング「魅せられて」で、2度目の日本レコード大賞。80年の百恵さん引退コンサートもプロデュースした。

 「無心に出す」をモットーに作品を作り続けた酒井さん。文化功労者に昨年選出され、今年でプロデューサー歴60年。数年前には「東京五輪までは」と仕事への情熱を燃やしていたが、開幕を目前にして生涯現役のまま旅立った。

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