紀州のドン・ファン 18年2月に55歳下の須藤容疑者と結婚…3カ月後に変死

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25)を逮捕した。自身の女性関係や半生を著した本を出版し、欧州の伝説のプレーボーイになぞらえられた野崎さんの不審死から約3年。県警は、50歳以上離れ、死亡の約3カ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が関与していたとみて捜査を続けていた。急転直下の元妻逮捕で事件は重大局面を迎えた。

 野崎幸助さんは、金融や酒類販売などの事業が成功して一代で財を築き、資産家として知られた。欧州の伝説のプレーボーイになぞらえ「紀州のドン・ファン」としてテレビや週刊誌に何度も取り上げられる一方、女性や金銭を巡るトラブルも多かった。

 近所の人や親族らによると、酒屋の家に生まれ、独立して複数の商売を手掛けるなど事業拡大に野心的だった。40年来の知人男性は「金融事業の宣伝で東京・永田町へ出向き、大手企業と取引するなどバイタリティーあふれる人だった」と振り返る。2億円近くを納税して高額納税者番付に名を連ねたこともあった。

 豪快な性格で「散髪のためだけに東京へ行っていた」と男性は話す。自身の近況を知らせる広告を地元紙にたびたび掲載。一方、通い慣れた飲食店の店主には「もう死にたいんや」と漏らすなど、孤独な一面もあった。

 女性や金銭を巡るトラブルも。16年2月には、野崎さん宅から現金や貴金属計6千万円相当を盗んだとして、交際していた当時20代の自称モデルの女が逮捕された。17年2月にも自宅で窃盗被害に遭った。

 自身の女性関係や半生を著した本が出版されるとテレビや週刊誌で話題に。50歳以上も若い須藤早貴容疑者と結婚したのは18年2月だった。

 脳梗塞を2度経験してからは、後遺症で歩くのに苦労し、ろれつが回らないこともあった。だが発病後は健康に気を付けており、月に2、3回は東京に通院。周囲に「覚醒剤はやらない」と話しており、野崎さんの親戚や知人は突然の死に不信感を募らせていた。

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