「紀州のドン・ファン」不審死 遺産13億円は訴訟に

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25)を逮捕した。自身の女性関係や半生を著した本を出版し、欧州の伝説のプレーボーイになぞらえられた野崎さんの不審死から約3年。県警は、50歳以上離れ、死亡の約3カ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が関与していたとみて捜査を続けていた。急転直下の元妻逮捕で事件は重大局面を迎えた。

 田辺市によると、野崎さんの遺産約13億円を全て市に寄付するとの遺言書を確認。弁護士が資産評価し、配偶者との分配を協議するとしていた。

 野崎さんの親族は、遺言書の無効確認を求め和歌山地裁に提訴している。

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