松井珠理奈 アイドルとは「生き様」舞台裏で10センチ断髪 泣きながら微笑んで別れ

 SKE48・松井珠理奈(24)が11日、名古屋市の日本ガイシホールで卒業コンサートを行った。自身がプロデュースし、昼、夜の2公演を敢行。“卒業”を銘打ったコンサートを1日2公演行うのは、AKBグループ史上初めて。最後のあいさつで18年選抜総選挙の“秘話”を明かした珠理奈は、延べ7000人のファンに「大好き!幸せ!ありがとう~!」と泣き笑いで別れを告げた。今後は29日に同市内のSKE48劇場で卒業公演を行い、13年の活動を締めくくる。

 迫る別れの時。最後のあいさつに立ったエースは「メンバーに支えられてきました」と声を震わせながら切り出した。静寂に包まれる会場。口にしたのは、地元・ナゴヤドーム(現バンテリンドームナゴヤ)で行われ、自らが1位に輝いた18年の選抜総選挙の“秘話”だった。

 「前日のリハーサルから悔しくて…。なんでナゴヤドームでやるのにSKEの曲がないんだろう。みんな頑張っているのに届かない。SKEは損してるよなーって」

 思いは募り、部屋にこもってしまったという。心身が限界に達した時、奮い立たせてくれたのは仲間だった。「みんなが部屋に来て『かっこいい珠理奈さんを見せてくださいよ』と引っ張られてリハーサルに出られた」。翌日の総選挙以降から休養に入ったが「あれがなければもっと早く倒れていたと思う」と、救ってくれたメンバーに感謝。この一件を機に「(メンバーが)すごく頼もしくて、だから卒業すると決めました」と明かした。

 この日のステージは自らがプロデュース。未来を担う後輩を際立たせ、自らは髪を10センチ以上切り落とすサプライズ。集まった延べ7000人のファンを沸かせた。

 11歳で加入し、SKEの“顔”として歩んできた。AKBでも前田敦子とWセンターを務めるなど期待を背負った。それでも追い風ばかりではなかった13年。「松井珠理奈にとってのアイドルとは」と問われると、しばらく考え込み「見た目じゃなく生き様」と表現した。

 「最初は見た目で入る人も多いけど、アイドルとしての生き様をファンが好きになって、同じ道を歩んでいくのがアイドルかなと思いました」

 華やかな実績がある一方、妥協を許さない責任感の強さや感受性の高さから、18年の総選挙時のように、体調を崩すことも一度ではなかった。強さともろさが混在した。その姿を見守り、最後までついてきてくれたファンがいる。前夜は「布団の中で泣いとった」と感極まったまま迎えた集大成の舞台。「大好き!幸せ!ありがとう~!」と泣き笑いで締めた。

 ◆松井珠理奈(まつい・じゅりな)1997年3月8日生まれ。愛知県出身。08年7月、SKE48のオープニングメンバーオーディションに合格し、同10月に公演デビュー。同月リリースのAKB48の10枚目シングル「大声ダイヤモンド」で初選抜入りし、前田敦子とともにダブルセンターを務めた。SKEではシングル15作連続でセンターを務め、AKBのシングルでも常連選抜メンバーとして活躍した。愛称はじゅりな。身長163センチ、B型。

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