橋田壽賀子さん逝く 95歳…「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」生んだ大脚本家

 日本の家族の姿を描き続け、「おしん」、「渡る世間は鬼ばかり」などの国民的ドラマを生み出した脚本家の橋田壽賀子(はしだ・すがこ、本名岩崎壽賀子=いわさき・すがこ)さんが4日午前9時13分、急性リンパ腫のため静岡県熱海市の自宅で死去した。95歳。ソウル生まれ。故人の遺志により通夜、告別式は行わず、5日に荼毘(だび)に付された。お別れの会なども遺志に従い行わない。      

 橋田さんは2月下旬、都内の病院に入院し、治療に専念していた。3月中旬、熱海市の病院に転院。今月3日、自宅に戻り、翌4日、静かに息を引き取ったという。長きに渡り橋田作品に出演し、熱海でも近所に住む盟友・泉ピン子(73)が最期をみとり、5日の荼毘には名コンビの石井ふく子プロデューサー(94)も立ち会った。

 橋田さんは相模湾が見える熱海の自宅兼仕事場が、のんびりできると大のお気に入りだった。夫の岩崎嘉一さん(享年60)と1989年に死別してからは、子供はおらず、長く一人暮らし。仕事の打ち合わせでも東京には出向かず、スタッフを自宅に招いた。

 昨年10月頃に電話で連絡を取った関係者によると、変わらぬ元気な様子で、コロナ禍の生活について「怖いから出掛けないし、山の中で誰も来ないので、ちょうどいいの」と語っていたという。石井氏によれば、コロナ禍の現状を見て、そこで感じた家族の形を書きたいと新作に意欲を見せていたというが、かなわなかった。

 最後の作品は19年9月16日放送の「渡鬼」の「3時間スペシャル2019」。同3日の取材会で橋田さんは「私はスマホが全く使えない。今の時代に合うドラマも書けない」と笑わせるなど元気だったが、これが最後の公の場になった。

 最後の文章は週刊女性に隔週連載した随筆「どうしてそうなるの!」。連載が途切れた2月16日発売号は「オリンピックは中止に!」と結ばれていた。

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