大路三千緒さん100歳で逝く 元タカラジェンヌ「おしん」祖母役

 100歳の長寿の表彰を受け、カメラ目線で笑顔を見せる大路三千緒さん=2019年9月
 宝塚時代の大路三千緒さん
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 宝塚歌劇団で組長を歴任しNHK連続テレビ小説「おしん」(83~84年)の祖母役などで知られる女優の大路三千緒(おおじ・みちお、本名・神山美知子=かみやま・みちこ)さんが12日午後6時半、脳梗塞(こうそく)のため兵庫・伊丹市内で死去していたことが18日、分かった。100歳。東京都出身。葬儀は16日に家族だけで営んだ。コロナが落ち着いた後に、お別れ会を開く予定という。

 宝塚市内の老人ホームで生活していた大路さんは、昨年11月27日に左半身にけいれんを起こし、伊丹市の病院に緊急搬送され、脳こうそくと判明した。

 100歳を迎えた昨年春に誤嚥(ごえん)性肺炎で入院した際は、元気に退院していたが、復帰はかなわず。めいで元タカラジェンヌの葦笛(あしぶえ)るかさんが見守る中、穏やかに旅立ったという。

 葦笛さんによると、言葉を交わすことはできなかったが「手を握るとたまに握り返してくれて…耳は最後まで聞こえていたと思います。本当によく頑張ってくれたと思います」と話した。

 葬儀は12日に家族だけで執り行った。「元タカラジェンヌの方からもお参りしたいというお声を掛けていただくのですが、この状況では…いずれ世間が落ち着いたら」と新型コロナウイルスの収束後、お別れ会を開きたいとの意向を示した。

 大路さんは1920年(大正9年)生まれで、第2次世界大戦が開戦した39年、宝塚歌劇団の初舞台を踏んだ。同期は越路吹雪さん、乙羽信子さん、月丘夢路さんらそうそうたるメンバーが顔を揃えていた。同期が早くに芸能界に転身する中、60歳まで在団し、花・雪組の組長として重責を担った。退団後は90歳まで劇団で後輩を指導していた。宝塚歌劇100周年を記念して、2014年4月に宝塚大劇場内に開館した「宝塚歌劇の殿堂」に選出され、現役時代の写真などが展示されている。

 また退団前からテレビドラマなどにも出演。「おしん」や大河ドラマ「翔ぶが如く」で主人公の祖母役を演じた。また向田邦子シリーズ「阿修羅のごとく」では主人公の4姉妹の母親役で出演し、女心の奥底に潜む阿修羅のようなエゴや執念を見事に演じ上げた。

 昨年2月21日には100歳の誕生日のお祝い会が、旧宝塚ホテルで開催された。「101歳のお誕生日は、新しくなった宝塚ホテルでお食事しましょうねと言っていたんですが。残念です」。葦笛さんは寂しそうに語っていた。

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