女優の黒木瞳（６０）が２８日、監督を務めた映画「十二単衣を着た悪魔」（１１月６日公開）の取材会を大阪市内で開き、撮影現場での“ささやき監督”ぶりを明かした。

　黒木が愛読する脚本家・内舘牧子氏の小説「十二単衣を着た悪魔　源氏物語異聞」を映画化した。伊藤健太郎（２３）演じる主人公のフリーターが源氏物語の世界にタイムスリップし、電子機器を武器にして陰陽師として活躍していくストーリー。黒木は「お客様が育ててくださる作品。見てもらわないと育ちませんので、育てて欲しい」と呼びかけた。

　監督としては、１６年の「嫌な女」以来４年ぶりとなる長編作品。現場での監督ぶりを聞かれ「演者であっても、ふだんから丁寧語でしゃべっていた。冷静でニュートラルな立場だったが、自分のイメージと違う芝居に対しては妥協しなかった」と振り返る。

　伊藤や、弘徽殿女御（こきでんのにょうご）役の三吉彩花（２４）に対しての演技指導は熱を帯びたが、決して声を上げることなく小声でささやきながらアドバイスしたという。「演者のボルテージを上げていった。人前で聞かれたくないこともあるし、大きな声で言われるとナーバスになってボルテージも上がらない」と、女優らしい細やかな気配りを見せていた。