西川きよし、漫才界初の文化功労者に選出「漫才に誘ってくれたやすしさんに感謝」

文化功労者に選出され、涙ながらに会見した西川きよし=大阪・吉本興業
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 タレントで元参議院議員の西川きよし(74)が文化功労者に選出されたことが27日、明らかになった。漫才界では初めての受賞。

 このほど、大阪市内で会見した西川は「大衆芸能の中に演芸、漫才まで広げていただいたことが本当にうれしかったです」と喜びを語った。一世を風靡(ふうび)した「やすし・きよし」の相方で96年1月に51歳で死去した横山やすしさんに対しては「やすしさんのおかげ。漫才に誘っていただいて、感謝以外ないです」と思いを口にした。横山さんの墓前に報告を済ませたという。

 高知出身で大阪育ちの西川は1963年に喜劇役者の石井均に弟子入り。吉本新喜劇を経て、66年に故横山やすしさんと漫才コンビを結成し、人気を博した。新喜劇では通行人A役だった西川は、4度相方を代えて失敗した横山さんから「オレも人生のがけっぷちやから」と何度も誘われ、二十数回断った末「絶対にけいこをしてください」という条件で了承したという。

 横山さんが亡くなった後、占い師から「横山やすしさんは、あなたの全国のお仕事の現場について行ってます」と言われたと告白。その後、現在も朝晩、横山さんに語りかけ、単独で出演する舞台では必ずネタにしている。

 横山さんは受賞についてどう話していると思うかと聞かれ、「『そうか、よう頑張ったな』というのと、『オレがおる間にもらえなかったのに、1人でもらったんか。2人のとき欲しかったな』と言ってると思います」と亡き相方の笑顔を思い浮かべた。

 「漫才は合間に人を退屈させないようにする“つなぎ”の芸だったと諸先輩から聞いてきました」という西川は、「やすし・きよし」の実力でジャンルの評価を高めた。「大きな部屋に入らせていただいたのが、やすし・きよしの個室を与えられたときはうれしかったですね」と大きな目を細めた。

 横山さんとのコンビ結成を後押ししたという妻・ヘレン(74)に真っ先に報告したという。67年、新喜劇の売れっ子だったヘレンと両家の大反対を押し切って結婚後、50年以上支えられた西川は「妻は普通の喜びじゃなかった。目を見ればわかります。家族中が号泣に近い状態でした」と大粒の涙を流しながら振り返った。

 現在もラジオ体操、ジョギングを欠かさず、ヘレンお手製の野菜たっぷりのみそ汁で健康をキープしている74歳。引き際を聞かれると、「笑いより体の方を心配されるようになったら舞台人は終わり。やすしさんとコンビを組んでるときは『死ぬときは舞台で死ねたらな』と話してました。それくらい舞台は素晴らしいところ。できたら80歳くらいまで出たい」と力強く宣言した。

 西川は横山さんとの「やすし・きよし」で、「上方漫才大賞」は67、70、77、80年と4度大賞を受賞。テレビでも活躍し、「パンチDEデート」(関西テレビ)、「料理天国(TBS)、「プロポーズ大作戦」(ABC)、「スター誕生」(日本テレビ)などに出演。86年から2004年まで参院議員を3期18年務め上げた。

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