「俺たちの旅」、「俺たちの朝」などの青春ドラマで知られる俳優の森川正太（もりかわ・しょうた、本名新井和夫）さんが１２日朝、胃がんのため都内の自宅で死去したことが１３日、分かった。６７歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。

　関係者によると、森川さんは腰や腹部の痛みを訴え、２カ月前に胃がんが発覚。転移も見つかった。新型コロナウイルス予防のために、面会が困難な入院ではなく在宅治療を選択。抗がん剤の投与を受けていた。亡くなる直前まで意識は比較的しっかりとしており、関係者が１１日に見舞った際は目線で意思疎通ができたという。

　１９６４年にデビュー。７１年、森田健作主演ドラマ「おれは男だ！」に出演した。続いて「飛び出せ！青春」、「俺たちの旅」、「俺たちの朝」といった日本テレビの青春ドラマにレギュラー出演し、青春群像劇を好演。その後も名脇役として活躍した。

　２０１５年に「劇団ケ・セラ・セラ」を旗揚げ。昨年、第４回公演となる「港町ブルース」を上演した。今年はコロナ禍で公演を断念したが、関係者は「やる気満々で構想を練っていましたよ。病気が分かる前も、分かってからも『来年はやりたいね』と言っていた。最後の最後まで舞台がやりたくて、前向きでした」と、病床でも創作意欲に満ちていたことを明かした。