羽生九段、竜王戦挑戦権獲得 タイトル通算100期へ向け2年ぶりタイトル戦の舞台へ

終局後の記者会見で質問に答える羽生善治九段=東京・将棋会館(撮影・開出牧)
豊島竜王への挑戦権を獲得した羽生善治九段(日本将棋連盟提供)
竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局に臨む羽生善治九段(左)と丸山忠久九段(日本将棋連盟提供)
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 将棋の羽生善治九段(49)が19日、東京・将棋会館で指された第33期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第3局で、丸山忠久九段(50)に99手で勝利。対戦成績を2勝1敗とし、豊島将之竜王(30)への挑戦権を獲得した。羽生九段はこれまで、歴代最多のタイトル通算99期を獲得しており、10月9、10日から始まる七番勝負に勝利すれば、前人未踏のタイトル通算100期獲得という偉業を達成する。

 羽生九段は8月17日に行われた三番勝負の第1局を落としたが、同25日の第2局を制して今局を迎えた。振り駒で先手となり、戦型は丸山九段が最も得意とする一手損角換わりに。序盤はゆっくりした流れで互角の展開だったが、丸山九段が放った遠見の角が疑問手とみられ、形勢は羽生九段に傾いた。

 夕食休憩後は、羽生九段が鋭い攻めの手を連発して優位を拡大。最後は大差で押し切った。終局後は淡々とした口調で「序盤から見通しの立たない将棋と思って指していた。形勢判断が付きかねる状態だった」と回顧。第1局を落とした後の心境を「一手ずつ丁寧に指していこうと思っていました」と明かした。

 豊島竜王との七番勝負は、タイトル100期をかけた歴史的大一番。「そういう舞台で指せるということは非常にありがたいことだと思って、充実させて開幕を迎えたいと思っています。まだ終わったばかりなので何も考えてないのですが、これからしっかりといろんなコンディションを整えて」と変わらぬ口調で話した。

 羽生九段は1985年12月、史上3人目の中学生棋士としてプロ入り。86年1月にデビュー戦を迎えた。89年の第2期竜王戦で島朗竜王(57)を破って初タイトルを獲得。以降はタイトル戦の常連となり、96年2月には史上初の七冠独占を達成した。

 2017年には永世七冠を達成し、将棋界初の国民栄誉賞を受賞。だが、100期に王手を掛けて迎えた18年に竜王、棋聖を失冠し、27年ぶりの無冠に。19年はタイトル挑戦権獲得がならず、初挑戦となった89年以来、30年続けたタイトル戦出場記録が途切れていた。

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