映画館を救え!夏休みに“救世主”投入 公開延期分から期待作を調整

 東京都の休業要請がステップ2に入ったことを受け、都内の映画館が1日から営業を再開した。新型コロナウイルスの影響で約100本の作品が延期となっており、7月までは新作もまばら。離れた客足の回復を望む劇場側の声は強く、夏休み興行には延期となっていた期待作を救世主的に投入する方向で調整が進められている。

 都のロードマップにより、都内の映画館が再始動した。5日には大手シネコン「TOHOシネマズ」も全劇場の営業を再開する。気になるのはコロナの影響で延期となり、大渋滞となっている約100作の行方だ。

 関係者は「製作するテレビ局や原作者、出版社のかぶり、キャストの出演作が続かないようにするなど、ぐちゃぐちゃになった調整をやり直すのは大変。他社作品と公開日をどうするかの横にらみもある」と嘆息する。制作が止まったため、完成していない作品も少なくないという。

 7月までは延期を発表している作品が多く、当面は過去作品の上映が中心となる。コロナに作品と客足を奪われた劇場の悲鳴は大きく、感染状況を見極めながら、まずは夏休み興行に“救世主”を投下する方向で調整が進んでいる。

 もともと五輪が開催されるはずだった時期のため公開予定数が少なく、逆に五輪後の秋は過密。別の関係者は「9月以降に組み込むのは難しい。来年公開に切り替えた作品も多いが、夏休み興行に延期されていたシリーズものや人気アニメの劇場版を公開する方向で最終調整中。動員が激減している劇場の新作を望む声に応える形です」と説明する。既に「映画ドラえもん のび太の新恐竜」は3月から8月7日への変更が発表されている。

 映画関係者の中では「映画館は3密空間ではない」という声も多い。現在は座席間隔を空け、最大でも全体の50%しかチケットを販売しておらず「非密集」。もともと換気機能は高く作られており「非密閉」。応援上映など発声を伴うイベントを自粛して「非密接」。年内は満席での営業は難しいと見られているが、映画の火を消さないために業界全体が一丸となっていく。

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