吉村知事 「夏に受験すれば同じ条件」 冬のコロナ第2波を懸念「誰が責任取るの」

 大阪府の吉村洋文知事が13日、大阪府庁で会見。新型コロナウイルス感染拡大でカリキュラムに遅れが生じた学校問題について、一部で報じられた、次の学年に進級後も前学年で残された内容を学び、数年かけて遅れを取り戻すという文科省の方針について問われた。

 吉村知事は秋冬にかけての新型コロナ流行の第2波、第3波を懸念。かねて9月入学への転換を推しているが、「(2、3波が来た場合)オンライン授業はやりますけど、完ぺきに通学と同じ授業をやるのは簡単にはいかないでしょうから、そういうことを考えると、3月末までに詰め込んでやるのは困難じゃないかなと。1年半くらいかけてやるべき」と持論を展開した。

 「取り戻し方として、2年生に進級して、2年生の分と1年生で残った分を詰め込んでやっていくのかと。どういう計画でやっていくのかよく分からないですけど、第2、第3波の可能性も含めた上で、学校は勉強だけじゃない。体育祭、文化祭やったり、そういう学びの場でもある。今はそれを省いていかないといけない。詰め込むやり方が、本当にいいのかなとは思いますけど」と続けた。

 そして、「一番大事なのは受験生ですよ」と力を込めた。「専門家の意見が正しいとすれば、秋冬の段階で全国民のワクチンはできてない。仮に大阪で10万、20万単位のワクチンができたとしても、大阪府民は880万人だし、日本人口は1億2千万人いるわけだから、日本人全員に行き渡るのは難しいと思います。ワクチンができないとコロナはコントロール下におけない。自粛とかで抑えることはできても」と説明。

 寒くなる季節を見据えて、「必ずインフルエンザがやってくる。(加えて)コロナもあることにおびえながら、受験っていうのを冬のシーズンに迎えるのが本当に正しいのかなって率直に思うんですけどね」と首をひねった。

 さらに、「現場の意見を踏まえてもそうだし、受験生のことを考えても、本当に3月にコロナやインフルエンザがあるときにやるんですかって。僕はよく考えた方がいいんじゃないかなって。9月まで延ばして、夏に受験すれば、みんなが同じ条件」とした。受験生を思いやり、受験時期の早期決定も提言。「(夏に)ずらすべき。冬にどうなるか分からないですよ。コロナの第2波の、4月よりでっかい波がもし来たら、誰が責任取るのって話。僕が受験生だったら絶対嫌ですけどね」と語気を強めた。

 また、「今年の9月入学は無理だと思いますけど」とした吉村知事は、9月入学の問題点について対策を披露。「考えなきゃいけないのは、1学年で一挙に1年半分の学生が増える時期があること。今は4月1日生まれを基準にしてるけど、これを仮に9月1日として、一気に変えてしまうと一気に1年半分、子供の数が増える。ここは段階的にちょっとずつ、かなり長い年月かけてやるとか」と話した。

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