志村けんさん「カラスの勝手でしょ」「アイ~ン」数多ギャグ生んだ稀代の天才

 バカ殿の衣装でアイーンポーズ=2019年
 変なおじさんの姿で始球式を務める=2001年
2枚

 1974年にザ・ドリフターズの正規メンバーとなった志村けんさんは、キレが良く柔軟でリズミカルな身のこなしと、テンポの良いセリフ、変化に富んだ表情で老若男女、幅広い層から支持された。「8時だョ!全員集合」からは「東村山音頭」、「ヒゲダンス」などの社会現象となるギャグが生まれた。

 自著では、子供の頃から「オレの一番の興味は笑わせることだった」と回想。映画「底抜け」シリーズで人気だった米コメディアン、ジェリー・ルイスに影響を受けたという。

 「カラスの勝手でしょ」は、テレビ局の近くで子供が歌っていたフレーズがヒントに。「ドリフ大爆笑」から生まれた「バカ殿様」は「一番偉い人がこんなにばかだったら、どうなるか」という発想がベースだった。

 人間観察から生まれたギャグもあった。「アイ~ン」は事務所の社長に東京・神楽坂の料理店に連れて行ってもらったのがきっかけ。芸者の顔つきや声色を参考に、突き出した顎の下に手を横にしたポーズを取ることを思いついたという。

 「だいじょうぶだぁ」は福島県喜多方市にある義姉の実家に遊びに行った時、親戚が口にしていたフレーズを誇張してできた。

 また、歌手の沢田研二や桜田淳子、俳優の柄本明、ミュージシャンの桑野信義ら異分野のタレントと共演して新たな面を引き出し、バラエティー番組の可能性を広げていった。桜田との夫婦コントではギャグ「私ってだめな男ね」が生まれた。

 徹底してコントにこだわり、規格外のキャラクターやギャグを生み出してきた志村さんだが、自著で「常識は基本線」、そこをひっくり返すことで「コントとして成り立っている。だから、笑えるワケよ」と、笑いの神髄を明かしている。

 「全員集合」から現在も続く「志村けんのバカ殿様」、「志村でナイト」まで一貫してテレビを主戦場にしてきたが、2006年からは一座を率いて舞台「志村魂」を上演。まだまだ新たな笑いにどん欲だった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス