小池都知事「感染爆発重大局面」都民に今週末の外出自粛要請

 東京都の小池百合子知事(67)は25日夜、都庁で緊急記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今週末は不要不急の外出を避けるよう都民に呼び掛けた。平日はできるだけ自宅で仕事を行い、夜間も外出を控えるよう求めた。同日新たに41人の感染者が確認されたことを受けた措置で、東京での外出自粛要請は初めてのことになる。

 小池知事は「重大な局面を迎えた。危機感を持ってほしい」と、厳しい表情で強く訴え、マスクを着けずに「重大局面」と繰り返した。活動自粛要請について説明後は「感染爆発 重大局面」と書かれたフリップを掲げて「この難局を皆さんと乗り越えたい」と強調した。

 共同通信の集計では、41人は都道府県による1日の発表人数としても最多。都の合計は212人となった。

 41人という数字に「えたいの知れない感覚を抱いた」と目を見開いた小池氏は、若年層に向けて「感染に無自覚なまま活動するのを見直してほしい」とも呼び掛けた。一方、23日の記者会見で言及したロックダウン(都市封鎖)については「それを避けるために協力をお願いしている」と述べるにとどめた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡っては19日、政府の専門家会議が、都市部を中心に感染者が増加し、欧州で起きているようなオーバーシュート(爆発的患者急増)を起こしかねないと懸念を示した。これに反応したのが関西地方の首長らで、大阪府の吉村洋文知事と兵庫県の井戸敏三知事はそれぞれ、3連休の大阪-兵庫間の不要不急の往来自粛を控えるよう呼び掛けた。

 しかし、小池知事が記者会見で感染防止への協力を呼び掛けたのは、気温が上がり各地に人出が戻った3連休(20~22日)を過ぎた23日。大規模イベントの自粛継続や感染予防措置を講じた上での学校再開にとどまった。

 最終的に、2月に独自の「緊急事態宣言」を出した北海道並みに週末の外出自粛を求めたのは、東京五輪・パラリンピックという最大の「足かせ」がなくなった後。開催延期が決まった途端の自粛要請には、後手に回ったとの批判が出そうだ。

 りんくう総合医療センターの倭正也感染症センター長は「このタイミングでは出遅れた感がある」と指摘。「ウイルスの潜伏期間を踏まえると、現時点の感染状況は2週間前の結果。今やらなければ爆発的な感染が起きるかもしれない」とした上で、2週間程度の外出自粛期間を設けるべきだと提言した。

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