新型コロナウイルスの影響で公演を中止していた宝塚歌劇団が２２日、東京宝塚劇場で公演を再開し、雪組公演「ＯＮＣＥ　ＵＰＯＮ　Ａ　ＴＩＭＥ　ＩＮ　ＡＭＥＲＩＣＡ」は午前１１時に開幕された。ファンからは「『前を向こう』って感じられる。宝塚は夢と希望を持たせてくれる所なので、それを実現して体現してくれている」と喜びの声があった。

　宝塚ファンの中では劇場入りする生徒を楽屋口前で「入り待ち」するのが恒例だが、この日は自粛。公式ホームページでも「長時間にわたり密に集まる行為を避けるため」と自粛を呼びかけていたが、ファン間でも自粛を心がけた形だという。長年ファンという４０代女性は「一番は生徒さんに迷惑をかけたくない。（宝塚ファンは）ルールを守る人が多いので自粛の姿勢がしっかりしている」と語った。

　公式ホームページによると、劇場内の換気を最大限強化し、劇場入り口に赤外線サーモグラフィーを設置。消毒液を各所に設置するなどの対策をとる。ファンによると、劇場入り口に配置する警備員の数も普段の倍以上だった。また、喫茶やグッズ販売もほぼ中止し「劇場館内でのお食事はご遠慮いただきますようお願いいたします」としている。来場客には、マスクの着用や手洗いの徹底、客席やロビーでの大勢での会話を自粛するよう呼びかけている。

　宝塚歌劇団は先月２９日から中止していた公演を今月９日から再開したが、１２日に再び休止。先月２１日から公演された雪組公演「ＯＮＣＥ－」は、公演再開のきょう千秋楽を迎えた。予定されていた全国７５カ所の映画館でのライブ中継は中止され、ＣＳ専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」で生放送する。