柳亭市馬・落語協会会長「できる限りやる」コロナ禍も明るい話題を一席

 新型コロナウイルスの流行で安倍総理大臣は先月26日、大規模なイベントの中止や延期、規模縮小を要請。芸能界でもコンサートや舞台などが軒並み中止になるという状況が続いている。しかし、そんな中でも都内の寄席ではほぼ休みなく公演が続き、出演者たちが笑いを届けている。落語協会会長で落語家の柳亭市馬(58)もこのほど、都内の演芸場に出演。場内でデイリースポーツの取材に応じ、思いを明かした。

 世の中が“自粛ムード”に包まれている中での公演。市馬は「寄席は密集していないからね。それにお客さんが『ワッー』って声を出すこともない。噺(はなし)家がしゃべっているだけですから。みんな同じ方向を向いて見ているしね」と説明。観客が大歓声を上げるコンサートなどとの違いを分析した。

 現時点では寄席や演芸場などから感染者は報告されていない。しかし、市馬自身も、寄席以外のほとんどの仕事が中止になっているのが現状だ。寄席に来る客も激減しており「(普段の)半分以下どころじゃないかもしれない」と嘆く。この日も100席ほどの客席に十数人しかいなかった。

 市馬によると、これほどの寄席離れは2011年の東日本大震災以来だという。ただ、当時も公演はほぼ休みなく続けていた。

 市馬は「それは、ウイルスは大変な問題」とことの重大さは認識している。その上で、「でも寄席はお客さんが来ないってこともないし、できる限りやるってところだね」とサラリ。落語を聞きに来る客がいる限り、笑いを届けていく思いを明かした。

 一方、上方では大阪の天満天神繁昌亭が29日まで、神戸市の神戸新開地喜楽館が4月いっぱいまでの公演を中止している。そんな中で落語家・桂紋四郎(32)らが提案した、自宅からインターネットで落語を届ける「テレワーク落語」が話題になったばかり。市馬は「若い人はみんなやっていますよ。どんどんやってもらいたいね」と新しい取り組みにも前向きだった。

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